ペロゼス

ペロゼスは、6世紀のイベリア戦争におけるダラの戦い（530年）で、東ローマ帝国軍と対峙したサーサーン朝軍の軍司令官でした。東ローマ帝国の歴史家プロコピオスは、彼を「ペルシア人であり、ミラネスという肩書を持つペロゼス」と記述しています。この「ミラネス」という言葉は、官職名ではなく、サーサーン朝の七大貴族の一つであるミフラーン家を指していると考えられています。

ダラの戦いは、ベリサリウス率いる東ローマ帝国軍が勝利し、ペロゼス率いるサーサーン朝軍は敗北を喫しました。この敗戦後、ペロゼスはサーサーン朝の王カワード1世によって面目を潰されたと伝えられています。この出来事以降、ペロゼスの人生に関する記録は残されていません。

プロコピオスの記述によれば、ペロゼスはアナスタシア戦争中にダラを包囲しようとした「ミラネス」と同一人物である可能性が指摘されています。もしそうであれば、ペロゼスはサーサーン朝において重要な役割を担っていた人物であったと考えられます。

ペロゼスに関する情報は限られていますが、ダラの戦いにおける彼の役割や、ミフラーン家との関連性から、当時のサーサーン朝の政治・軍事情勢を垣間見ることができます。

参考文献
Martindale, John Robert; Jones, Arnold Hugh Martin; Morris, J., eds (1992). The Prosopography of the Later Roman Empire, Volume III: A.D. 527–641*. Cambridge, United Kingdom: Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-20160-5.

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