ホセイン・タエブ

ホセイン・タエブのプロフィール

ホセイン・タエブ（ペルシア語: حسین طائب‎、Hossein Taeb）は1963年に生まれ、現在はイラン・イスラム共和国のイスラム革命防衛隊（IRGC）情報局の責任者を務める。彼はイスラム教シーア派のウラマーであり、ホッジャトルエスラームの階級を持っている。タエブは2009年10月に現職に就く前、革命防衛隊傘下の民兵組織「バスィージ」の司令官として活動していた。この組織は、2009年のイラン大統領選挙後に起こった抗議デモの鎮圧に際して大きな役割を果たした。

経歴

タエブの教育背景は多岐にわたる。彼は中等教育を終えた後、神学校に進学し、テヘラン、マシュハド、ゴムでイスラム法学を学び、上級学位（カレジ）を取得した。特に、現イラン最高指導者アリー・ハーメネイー氏と共に学んだことが、彼の宗教的権威を強化する要因となっている。1982年には革命防衛隊に入隊し、テヘラン第10区を初めとする地域で任務を遂行した。

タエブは長年にわたって革命防衛隊と最高指導者との調整役を担っており、エマーム・ホセイン大学での文化的な指導も行ってきた。さらに、イラン・イラク戦争中には兄弟を失っており、この経験は彼の視点に深い影響を与えている。タエブは妻との間に3人の子供を持つ。

バスィージと抗議デモの弾圧

2009年のイラン大統領選後、タエブの指揮のもと、バスィージは抗議デモを厳しく鎮圧した。このデモでは、多くの市民が路上や拘留施設で命を失い、その数は少なくとも数十人に達している。タエブは、米国が「ソフトパワーによるイスラム共和国転覆をもくろんでいる」と警告し、抗議行動中の反政府暴動で「バシジのメンバー8人が死亡、300人が負傷した」と発表した。

欧州の制裁

彼の行動に対する国際社会の反応も一部見られる。欧州連合（EU）は、タエブ指揮下の部隊が平和的な抗議者に対して大規模な暴行や殺人、拘留、拷問を行ったとして、彼の個人資産凍結を決定。加えて、EU域内への渡航も禁じられている。また、米国政府もタエブを要注意人物リストに追加し、その行動を強く非難している。

このように、ホセイン・タエブはイランの内部政策や国際的な関係に多大な影響を与えてきた重要な人物である。彼の経歴と行動は、イランの政治情勢や社会的動向に深く関与しており、今後のイランの展望にも影響を及ぼす可能性がある。

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