ホセ・バッソ

ホセ・バッソ（José Basso）は、1919年1月30日にブエノスアイレスで生まれ、1993年8月14日に生涯を閉じた、アルゼンチンの著名なタンゴ音楽家です。彼は楽団代表、作曲家、そして卓越したピアニストとして、タンゴ界に多大な貢献をしました。

バッソは1936年にエミリオ・イ・ホセ・デ・カロ楽団で音楽家としてのキャリアをスタートさせました。その後、いくつかの楽団を渡り歩き、研鑽を積みます。そして、1943年から1947年までの期間、アニバル・トロイロ楽団にピアニストとして参加し、その才能を開花させ、一躍脚光を浴びました。トロイロ楽団での彼の演奏は、多くの人々を魅了し、楽団の人気を不動のものとしました。

1947年、バッソは自らの楽団を結成し、代表として活動を開始しました。彼の楽団は、伝統的なタンゴのスタイルを継承しつつも、独自の解釈と洗練されたアレンジで、多くのファンを魅了しました。1970年には、日本公演を実現し、日本のタンゴファンにもその名を知られるようになりました。この公演は、彼の音楽が国際的に評価されるきっかけとなり、その後の活動に大きな影響を与えました。

また、ホセ・バッソ楽団の演奏は、YouTubeなどの動画サイトでも公開されており、その素晴らしい音楽に触れることができます。民音タンゴ・シリーズの記念すべき第一号公演は、ホセ・バッソ楽団が務めました。このことからも、彼がタンゴ界においていかに重要な存在であったかがわかります。

ただし、ホセ・バッソ楽団の音源の中には、録音技術を用いた編集が施されているものも存在します。例えば、バンドネオンのトリルが通常の倍の速度で収録されているものがあり、これはテープの早回しなどの技術が用いられたと考えられています。Pepe y su Cuarteto Locoとの共演曲「El entrerriano」や「Canaro en Paris」などがその典型例として挙げられます。

ホセ・バッソの音楽は、アルゼンチン・タンゴの歴史において重要な位置を占めており、彼の功績は今日でも高く評価されています。彼の音楽は、タンゴファンのみならず、多くの音楽愛好家にとって、永遠の宝物と言えるでしょう。

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