ホテル仙台プラザ

ホテル仙台プラザは、宮城県仙台市青葉区本町に位置し、2011年に閉館したホテルです。東北地方を代表する名門ホテルとして知られていました。その歴史は古く、明治時代にまで遡ります。

立地と概要



仙台市都心部を見下ろす高台に位置し、JR仙台駅から徒歩15分、タクシーで5分とアクセスも良好でした。隣接する錦町公園を借景とする美しい景観が特徴で、周辺には宮城県庁、仙台市役所、仙台合同庁舎などの官公庁が立ち並び、政治経済の中心地としての役割も担っていました。

ホテル内には、国際会議にも対応可能なメイン宴会場「松島」があり、立席で2000人を収容できる大規模なものでした。地元政財界の会合など、重要なイベントが数多く開催されました。

地元では「プラザホテル」「仙台プラザ」といった愛称で親しまれていました。また、隣接する斎藤報恩会館とは、外観を統一し、一体的な建物として存在していました。

現在、ホテル跡地は隣接地を含め、NHK仙台放送局の敷地となっています。

館内施設



ホテルは15階建てで、各階には様々な施設がありました。

15階: 鉄板焼「メープル」があり、仙台市街と太平洋を一望できる絶景が楽しめました。
14階~4階: 客室
3階: メイン宴会場「松島」があり、東、西、南に区画して利用することができました。
2階: 宴会場「けやき」、「あおい」、「花梨」、「もみ・たけ・はぎ」など、多様な宴会に対応できる施設がありました。
* 1階: フロント、ロビー、レストラン「セレーナ」、中国餐庁「北京」、和食「万作」、ティーラウンジ、メインバー「オークルーム」などがありました。

歴史



前史


1887年日本鉄道本線が仙台に開通したことに伴い、仙台駅周辺には旅館やホテルが次々と開業しました。その中には、旅籠「大泉屋」や日本鉄道が創業した「陸奥ホテル」などがありました。その後、日本鉄道は「仙台陸奥館」や純和風の「陸奥ホテル(新)」を開業しました。

ホテル仙台プラザの前身


「陸奥別館青木ホテル」が、当ホテルの源流です。1888年、旧陸奥ホテルが青木助三郎に売却され、「陸奥別館青木ホテル」と改称されました。このホテルは、1945年仙台空襲で被災しましたが、翌1946年に「青木ホテル」として再興されました。

占領期には、進駐軍のキャンプが仙台市内に設置されたこともあり、青木ホテルはGHQ/SCAP鉄道司令部の近くにあったため、外国人客向けのバイヤーズ・ホテルに指定され、1951年には東北地方初の国際観光ホテル整備法登録ホテルとなりました。

1960年、青木ホテルは鉄筋コンクリート9階建てのビルに改築され、その1階と8階、9階に「仙台セントラル・ホテル」が新たに開業しました。

開業当初、仙台セントラル・ホテルは「仙台駅を見下ろす高層建築」として、最新の設備を備えたホテルとして高い評価を受けました。従業員も東京京阪神の一流ホテルで研修を積むなど、質の高いサービスを提供していました。

当時、仙台の本格的なホテルは「仙台セントラル・ホテル」と「グランド・ホテル仙台」の2つのみでした。

ホテル仙台プラザの開業


1975年、仙台セントラル・ホテル仙台駅前から官庁街に近い高台に移転し、15階建てのシティホテルホテル仙台プラザ」として新たに開業しました。開業時の客室数は211室で、東北地方を代表するホテルとして発展を遂げました。

ホテル仙台プラザの閉館


2007年、経営不振に陥ったホテルは、MRMホテル特定目的会社に売却され、リースバック方式で営業を継続することになりました。2009年には、ホテルの建物を解体し、新築された商業ビルにアップスケールして再入居する計画もありましたが、リーマン・ショックの影響で頓挫しました。賃料不払いを理由に債権が差し押さえられた結果、2011年3月25日に閉館が決定しました。東日本大震災発生時には、避難者を受け入れましたが、3月13日に前倒しで閉館しました。その後、ホテルの運営会社は自己破産しました。

跡地利用


NHKはホテル跡地を取得し、2017年NHK仙台放送局の新社屋を建設しました。

その他



ホテル仙台プラザは、美術館や博物館内にレストランを展開していました。また、ドイツ建築家ブルーノ・タウトイギリスエドマンド・ブランデンが滞在したホテルとしても知られています。プロ野球監督の野村克也氏も定宿として利用していました。

アクセスは、JR仙台駅から徒歩15分、地下鉄勾当台公園駅から徒歩2分など、公共交通機関が利用しやすく、駐車場も100台収容可能でした。

周辺には錦町公園、定禅寺通宮城県庁舎、仙台市役所などの施設がありました。

ホテル仙台プラザは、その長い歴史の中で、仙台の発展と共に歩み、多くの人々に愛されたホテルでした。

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