ホテル青森

ホテル青森

ホテル青森は、青森県青森市の中心部に位置する国際興業グループのホテルです。その歴史は、日本銀行青森支店長であった吉田満氏の提唱に端を発し、地元の財界や青森市が出資し、県都のモデルホテルとして1967年12月に開業しました。地上6階、客室57室という規模でスタートしたホテルは、昭和天皇をはじめとする天皇家三世代や、各宮家の人々を迎えるなど、青森の迎賓館としての役割を担ってきました。

歴史

開業当初から、ホテル青森は青森県における重要な施設としての地位を確立していました。1977年には青森国体の開催を機に、客室を96室に増築し、昭和天皇の宿泊も受け入れました。しかし、その後、ホテル経営のノウハウ不足や増築による過剰な設備投資が重なり、累積欠損が増大。経営難に陥ったため、大株主であった青森銀行が国際興業に譲渡を打診し、1986年4月1日付で国際興業が全株式を取得し、完全子会社化されました。

1989年4月には、全面改築を前に国際興業グループの花巻温泉株式会社と合併。ホテル運営会社として新たにホテル青森が発足し、改築工事に着手しました。1992年5月には、地下1階・地上17階建ての新ホテルが完成。総工費は155億円に上り、当時、青森県内ではアスパムに次いで2番目に高い建物となりました（塔や橋を除く）。

所有権は2004年に国際興業グループのKyo-ya Japan Investment Co.,Ltd.に移りましたが、2013年からは国際興業が直接保有しています。

近年では、2011年にホテル青森が中心となり、県内の観光関連企業・団体が「あおもり冬活会議」を設立。「角巻き」を青森の冬の観光資源として活用する動きも見られます。

施設

ホテル青森は、国際会議も開催可能な大宴会場を備えるほか、レストラン、カフェ、美容室、写真館、チャペル、神殿など、あらゆるニーズに対応できる施設が充実しています。特にブライダル関連の設備・サービスは充実しており、多くのカップルに利用されています。

1階のカフェレストラン「スワン」では、バイキング形式の朝食が提供されており、その質の高さから新聞のコーナー記事でも紹介されるほどです。都市型ホテルとしては珍しく、数室の和室や茶室付きの和室スイートも備えており、多様な顧客層に対応しています。洋室のスイートルームは3タイプ4室あり、中でも125㎡のロイヤルスイートにはプライベート・バーが備えられています。

館内には様々な絵画が展示されており、5階ロビーには奈良岡正夫氏による青森の四季を描いた作品4点が飾られています。これらの作品は、現在のホテルが完成した記念に制作されたものです。

客用エレベーターは17階までですが、実は18階にはクラブが存在します。元々は会員制クラブとして計画されましたが、実際には会員制クラブとしては利用されず、結婚式の二次会場など一般に開放されています。

アクセス

青森駅東口よりタクシーで約10分
あおもりシャトルdeルートバスねぶたん号（青森観光バス）右回りコース（青森駅⑦番乗り場）より約15分、ホテル青森前下車
新青森駅よりタクシーで約20分
あおもりシャトルルートバスねぶたん号（右回りコース東口③乗り場。約35分。※但し18時53分発除く　左回りコース南口①乗り場。約45分程）でホテル青森前下車。玄関内にバス停があります。
東北自動車道 青森ICより車で15分
青森空港よりタクシーで30分。バス（JRバス東北）で新町2丁目下車後タクシーで5分。

参考文献

国際興業株式会社社史編纂室編『国際興業五十年史』 国際興業株式会社、1990年。
「ホテル青森物語1」『財界あおもり 第45号』財界あおもり、2008年2月。
「ホテル青森物語Part2」『財界あおもり 第46号』財界あおもり、2008年4月。
週刊ホテルレストラン編集部編『日本ホテル年鑑2004年度版』オータパブリケイションズ。

関連項目

花巻温泉 - 岩手県花巻市にある温泉。敷地内に多数の系列ホテル・旅館があります。
甲府記念日ホテル （旧称：甲府富士屋ホテル）- 甲府市信玄の湯 湯村温泉にある同系列だったホテル。設計者が同じでよく似た外観を持っています。

外部リンク

* ホテル青森

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