ホリデーライナーかなざわ

ホリデーライナーかなざわ

「ホリデーライナーかなざわ」とは、西日本旅客鉄道（JR西日本）がかつて北陸本線、現在のあいの風とやま鉄道線およびIRいしかわ鉄道線の区間である富山駅と金沢駅の間で運転していた快速列車です。この列車は臨時列車として設定され、主に土曜日と休日に運行されていました。

運行開始の背景と変遷

この列車が登場した背景には、金沢駅周辺に相次いで開業した大型商業施設への集客がありました。特に、2006年11月に開業した「金沢フォーラス」への買い物客の利用を促進するため、翌年の2007年3月18日のダイヤ改正に合わせて運転が開始されました。当初は時刻表上の愛称はありませんでしたが、「ショッピングトレイン」という名称で案内され、専用のヘッドマークも掲げられていました。運行開始当初は、土曜日と休日の午前中に富山駅から金沢駅へ向かう上り列車が2本設定されていました。

その後、2007年5月26日には、金沢駅構内に「金沢百番街くつろぎ館」が開業しました。このタイミングに合わせて、列車の愛称が正式に「ホリデーライナーかなざわ」に変更されました。新しい愛称に合わせて、ヘッドマークのデザインも一新されました。

しかし、運行体制には変化が生じました。2010年3月20日のダイヤ改正からは、運転本数が削減され、上り列車1本のみの設定となりました。

運行終了

「ホリデーライナーかなざわ」の歴史は、2015年3月14日の北陸新幹線金沢開業をもって幕を閉じました。北陸新幹線開業に伴い、並行する在来線である北陸本線の一部区間（倶利伽羅駅 - 金沢駅間）はIRいしかわ鉄道へ、また富山県内の区間（市振駅 - 倶利伽羅駅間）はあいの風とやま鉄道へそれぞれ移管されました。これに伴い、JR西日本としての「ホリデーライナーかなざわ」は、移管直前の最後の週末にあたる2015年3月8日の運転をもって、その運行を終了しました。

停車駅

運行終了が近づいた時期、具体的には2014年10月18日時点での停車駅は以下の通りでした。

富山駅
小杉駅
高岡駅
福岡駅
石動駅
津幡駅
* 金沢駅

土曜日・休日に富山駅を午前中に出発し、上記の各駅に停車しながら金沢駅へと向かう運行ダイヤが組まれていました。

運行終了後の状況

北陸新幹線開業後の並行在来線への移管に際し、「ホリデーライナーかなざわ」に直接代わる性格を持つ列車は設定されませんでした。

現在、あいの風とやま鉄道およびIRいしかわ鉄道では、移管後に「あいの風ライナー」という列車を運転しています。これは金沢駅と富山駅、泊駅などを結ぶ列車ですが、「ホリデーライナーかなざわ」とは性格が異なります。「あいの風ライナー」は、移管前に北陸本線を走っていた特急「おはようエクスプレス」の実質的な後継としての役割を担っており、主に平日の通勤・通学時間帯に運転される座席指定制の列車です。停車駅も「ホリデーライナーかなざわ」とは異なります。

また、IRいしかわ鉄道では、2017年3月4日から2019年3月10日までの土休日午前に、津幡駅と金沢駅の間で「IRホリデー号」という名称の普通列車を運転していた時期がありました。この列車は運転日こそ土休日でしたが、運行区間や種別、目的が「ホリデーライナーかなざわ」とは異なりました。2019年3月のダイヤ改正以降は、「IRおでかけ号」として、年末年始やお盆などの多客期に臨時列車として運転される形態に変更されています。「ホリデーライナーかなざわ」のような、富山 - 金沢間を結ぶ土休日午前の快速列車という位置づけの列車は、現在の並行在来線には引き継がれていません。

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