ホレイショ・ルロ

ホレイショ・A・ルロ：サラブレッド競馬史に名を刻んだ名調教師

ホレイショ・A・ルロ (1901年2月27日 - 1991年12月16日) は、アメリカとカナダのサラブレッド競馬界に多大な貢献をした伝説的な調教師です。裕福な家庭に生まれた彼は、若き日をプレイボーイとして過ごし、後にアメリカに移住。持ち前の社交性と出自を生かし、政財界や芸能界の著名人と幅広い交友関係を築きました。

その人脈が彼の人生を大きく変えます。カナダの企業家で、ジョッキークラブ設立者でもあるエドワード・プランケット・テイラーとの出会いによって、テイラーが所有するウインドフィールズファームで調教師としてのキャリアをスタートすることになったのです。

1937年から1984年まで、実に47年にわたる調教師人生で、ルロは43頭ものステークス競走勝ち馬を育成しました。ケンタッキーダービー2勝、クイーンズプレート3勝、カナディアンインターナショナルステークス3勝など、数々のビッグタイトルを獲得。その手腕は、競馬史に燦然と輝く数々の功績として刻まれています。

しかし、彼の名を不滅のものにしたのは、何と言ってもノーザンダンサーとの出会いでしょう。カナダ産馬ながら、アメリカでケンタッキーダービーとプリークネスステークスを制覇し、二冠を達成。カナダでもクイーンズプレートを制するなど、その活躍は目覚ましく、引退後は種牡馬として歴史的な成功を収めました。ルロはその後も、ノーザンダンサー産駒の調教に携わり、その才能を遺憾なく発揮しました。また、名馬ニジンスキーの育成にも携わっていたという逸話も残されています。

ルロは調教師として成功を収める傍ら、社交的な生活も送っていました。自身の成功を積極的にアピールし、ビング・クロスビーなどの芸能界の人物とも親交を深め、華やかな社交界で活躍しました。晩年はジョージア州カーターズビルで妻フランシスと静かに余生を過ごしました。

1980年には、アメリカ競馬名誉の殿堂博物館入りを果たし、その輝かしい功績が後世に伝えられることとなりました。90歳でこの世を去ったルロは、数々の名馬を育て上げ、競馬界に大きな足跡を残した、まさに伝説的な存在と言えるでしょう。

主な調教馬:

カヤックII (Kayak II): サンタアニタハンデキャップなど
プリンスキロ (Princequillo): ジョッキークラブゴールドカップ優勝など
ヴィクトリアパーク (Victoria Park): 1960年クイーンズプレート優勝
ディサイドリー (Decidedly): 1962年ケンタッキーダービー優勝
フレーミングページ (Flaming Page): 1962年クイーンズプレート優勝
ノーザンダンサー (Northern Dancer): 1964年アメリカ二冠馬、アメリカ・カナダ殿堂入り
ノーザンクイーン (Northern Queen): 1965年カナディアンオークス優勝
ワンフォーオール (One for All): カナディアンインターナショナルステークスなど

彼の功績を記した書籍『The Grand Señor: The Fabulous Career of Horatio Luro』(著者:Joe Hirsch, 出版:Blood-Horse Publications)も存在し、より詳細な彼の生涯を知ることができるでしょう。アメリカ競馬名誉の殿堂博物館のウェブサイトにも彼の功績が紹介されています。

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