ホンダ・トゥデイ (自動車)

トゥデイ（Today）

トゥデイは、本田技研工業により製造された軽自動車で、1985年から1998年まで販売されました。そのデザインと技術的な工夫は、当時の軽自動車の標準を超えるもので、多くのユーザーから支持を受けました。トゥデイには、商用と乗用の2つのモデルが存在し、商用モデルは軽ボンネットバン、乗用モデルではセミノッチバックやハッチバックが登場しています。

初代モデル（1985年 - 1998年）

1985年9月10日に初めて発表された初代トゥデイは、翌日から販売が開始されました。CMには今井美樹が起用され、初期のCMソングは「はぐれそうな天使」で、時期によっては岡村孝子版へと変更されるなど、当時の流行を反映したプロモーションが行われました。

そのデザインは、独特な丸型ヘッドランプとエンジンフード、リアコンビネーションランプを特徴としていたほか、フロントワイパーがシングル式でリンク機構を採用するなど、斬新さが際立っていました。特に、「M・M思想」（人のために機械を最適化する考え方）に基づいた室内空間の広さも評価されました。エンジンルームの設計やホイールベース（2,330 mm）とも相まって、操縦安定性が高められていました。

搭載していたエンジンはEH型の2気筒であり、4速MTやセミオートマチックのホンダマチックが組み合わされました。1988年にはエンジンを変更し、よりスポーティな車両へと進化を遂げ、グレードも多彩になっていきました。特に、軽自動車の枠を超えたデザイン変更や装備の導入が行われ、トゥデイの人気は高まりました。

その後、1990年には軽自動車の規格変更に伴うマイナーチェンジが実施され、エンジンは660 ccのE07A型が搭載されるようになりました。販売モデルは多様性を増し、商用モデルにおいても利便性が考慮された改良が続けられていました。

2代目モデル（1993年 - 1998年）

初代トゥデイの成功を受けて、1993年にフルモデルチェンジが行われた2代目トゥデイは、より女性向けに特化したデザインや仕様を設定しました。乗用専用モデルとして設計され、ボディ形状の変更によって、独立した荷室を持つスタイルへと進化しました。しかし、これに伴い、トランクの使い勝手は不評を買うこととなりました。

エンジンは先代からE07A型が引き続き搭載され、全モデルがPGM-FI仕様になりました。後には、ビートに搭載された技術をリファインしたモデルも登場し、スポーツ走行に向けた仕様が強化されました。1996年のマイナーチェンジによって、トランクのデザインはオーソドックスなハッチバックへと変更され、再度魅力的なモデルに仕上げられました。

2代目は1998年に生産が終了し、ホンダの軽自動車系列の中で重要な位置を占めました。この規格変更の機にトゥデイはライフシリーズに統合され、ホンダのラインアップから姿を消しましたが、その存在感と革新的な技術は、長く記憶に残ることとなりました。

モータースポーツとアフターパーツ

初代トゥデイは、その軽量性と低重心に加え、他車からのパーツ流用が容易な点から、軽自動車のレースシーンで高い人気を誇りました。特に、サーキットではその高性能がしばしば取り上げられ、パフォーマンスの可能性を示しました。

また、ホンダ向けのアフターパーツも充実しており、無限からは特別にデザインされたボディキットも提供されていました。これにより、オーナーたちは自分だけのトゥデイをカスタマイズできる楽しみを抱えていました。

結論

トゥデイは、その独自のデザイン、優れた操縦性、豊富なバリエーションから、多くのユーザーに愛された軽自動車でした。1985年から1998年と長きにわたる販売期間の中で、様々な技術革新とデザインの進化を遂げ、ホンダの歴史において特別な存在であり続けました。

もう一度検索