ホンダ・CRF

Honda CRFシリーズ オートバイ徹底解説

Hondaが製造するCRFシリーズは、モトクロス競技から公道走行まで幅広い用途に対応するオートバイです。本記事では、その歴史、特徴、各モデルの詳細、そして日本における扱い方まで、徹底的に解説します。

CRFシリーズの歴史

CRFシリーズの起源は、2ストロークエンジンを搭載したCRシリーズのモトクロスレース参戦にあります。環境問題への意識の高まりから、より排気量の大きな4ストロークエンジンへの転換が図られ、2001年からCRFシリーズが誕生しました。当初は競技用車両として開発されましたが、後に公道走行可能なモデルも登場し、現在では多様なラインナップを展開しています。

4ストローク化のメリットとデメリット

4ストロークエンジンへの変更は、いくつかのメリットとデメリットをもたらしました。

メリット:

トルクとトラクションの向上
エンジンの扱いやすさ向上
排気ガス中のオイルによる汚損の防止
混合ガソリンを作る手間が不要
クリーンな排気

デメリット:

エンジン部品の増加による複雑化と重量増加
エンジンオイルとミッションオイルの別管理が必要（CRF250/450の一部モデル）
排気音が大きくなる（2ストロークエンジンと比較して）
メンテナンス頻度とコストの増加
廃油の増加（ただし、適切なリサイクル方法が確立されている）
* 再始動性の悪化

日本におけるCRFシリーズの扱い

競技用車両であっても、逆輸入車は通関証明書の発行により国内登録が可能です。ただし、保安部品の装着、車検対応のための改修、手続きの煩雑さから、費用は高額となります。並行輸入業者による整備済みの車両を購入する選択肢もあります。2008年以降の排出ガス規制強化により、新規登録は難しくなっていますが、既に登録済みの車両は問題なく公道を走行できます。

主要モデルの詳細

CRFシリーズは、排気量や用途によって様々なモデルが存在します。ここでは代表的なモデルについて詳しく解説します。

CRFミニシリーズ (CRF50F/70F/80F/100F/125F)

子供や初心者向けの入門モデルです。CRF50F/70Fは水平型エンジン、自動遠心クラッチを採用し、扱いやすさを重視した設計です。CRF80F/100F/125Fは垂直型エンジンを採用し、ステップアップモデルとして位置付けられています。125Fは、100Fの後継モデルとして2013年に登場しました。

CRF150R/RII

本格的なモトクロスレース参戦を目的としたモデルです。水冷エンジン、倒立フロントフォークなどを装備し、高い走行性能を実現しています。RとRIIの違いは、ホイールのサイズやサスペンションのストロークです。

CRF250シリーズ (CRF250R/X/L/M/RALLY)

CRF250Rは競技用モデル、CRF250Xはエンデューロモデル、CRF250L/Mは公道走行可能なモデルです。Lは扱いやすさを重視したモデルで、Mはモタードスタイルのモデルです。CRF250 RALLYはダカール・ラリー参戦マシンをイメージしたモデルです。

CRF450シリーズ (CRF450R/X/RX/L/RALLY)

CRF450Rは競技用モデル、CRF450Xはエンデューロモデル、CRF450RXはエンデューロ競技向けのモデルです。CRF450Lは公道走行可能なモデルで、CRF450Rをベースに保安部品を装備しています。CRF450 RALLYはダカール・ラリー参戦マシンです。

CRF1000L Africa Twin

2気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデルです。かつて人気を博したアフリカツインの後継モデルとして、2015年に登場しました。

まとめ

CRFシリーズは、長年にわたり進化を続け、多様なニーズに対応するモデルを展開しています。初心者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせたモデルを選択できることが、このシリーズの大きな魅力です。本記事が、CRFシリーズ選びの参考になれば幸いです。

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