ホーカー シーフューリー

シーフューリー (Hawker Sea Fury)

シーフューリーは、イギリスのホーカー社が開発した艦上戦闘機で、イギリス海軍の艦隊航空隊に採用されていました。「シーフューリー」という名前は「海の怒り」を意味し、最初はフューリーとして空軍用に計画されていましたが、空軍の計画中止を受け海軍向けに改良された経緯があります。この機体は、イギリス海軍で運用された最後のレシプロ艦上戦闘機として知られています。

開発の背景

シーフューリーの開発はホーカー・エアクラフト社によるもので、彼らの前の機体であるホーカー タイフーンは、設計に問題があり当初の要求を満たすことができませんでした。しかし、低空での運動性は良好で、戦闘爆撃機としては活躍しました。その後、タイフーンの欠点を克服すべく、ホーカー社は新たに開発したホーカー テンペストで大幅な性能向上を成功させました。テンペストには複雑な構造があるため、さらなる軽量化を目指して空軍からの要求に応じて改設計されたのがシーフューリーです。

1944年、海軍向けの仕様F.2/43に基づいてシーフューリーの開発が本格化し、同年に初飛行を果たしました。しかし、1945年に戦争が終結し、空軍向けの発注はキャンセルされましたが、イギリス海軍はシーフューリーの生産を継続しました。

特徴と性能

シーフューリーは空冷のブリストル セントーラスエンジンを搭載しており、その構造は比較的シンプルでした。初期のころには小さなトラブルが見られましたが、すぐに解決し、整体の運動性や信頼性は高く評価されました。シーフューリーは艦載機として活躍し、特に第二次世界大戦後の朝鮮戦争で大きな戦果を上げました。

シーフューリーは、主に軽空母に搭載され、敵航空力が手薄なため、対地攻撃の任務が多くありましたが、MiG-15の撃墜も記録しています。

海外への輸出と運用

シーフューリーは各国にも輸出され、カナダ、オランダ、エジプトなどで使用されました。特に注目されるのは、1961年のピッグス湾事件やビルマ空軍での活躍です。退役後も多くの機体が民間に払い下げられ、現在はエアレースなどで使用されています。

各国の採用状況と派生型

シーフューリーは、イギリスをはじめ、オーストラリア、カナダ、キューバ、パキスタンなど様々な国で運用されました。派生型としては、フューリー試作型やシーフューリーMk.X、シーフューリーFB.11などがあり、特にFB.11型は615機が製造され、多くの海軍で利用されました。

基本性能

• - 乗員: 1名
• - 全長: 10.6 m
• - 翼幅: 11.7 m
• - 空虚重量: 4,190 kg
• - 最大離陸重量: 5,670 kg
• - 最大速度: 740 km/h
• - 武装: イスパノ Mk V 20 mm 機関砲 × 4、ロケット弾や爆弾も搭載可能

シーフューリーは航空史において重要な役割を果たした機体であり、その優れた性能と信頼性から、長年にわたって多くの艦載機のベースとなりました。

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