艦隊航空隊

艦隊航空戦隊（Fleet Air Arm, FAA）

艦隊航空戦隊は、イギリス海軍の航空機を利用した様々な作戦を担当する部門です。この部隊には約6200人の人員が所属し、これはイギリス海軍全体の15%以上に相当します。また、約200機の実戦機と50機を超える支援・訓練用の航空機を運用しています。艦載ヘリコプターとしては、アグスタウェストランド マーリン、ウェストランド シーキング、ウェストランド リンクスがあり、以前はハリアー GR.7/9も運用されていました。

艦隊航空戦隊は、イギリス、サマセット州にあるヨービルトン基地（HMSヘロン）近くに専用の博物館を運営しており、そこでは艦隊航空戦隊が使用した歴史的な航空機を展示しています。これにより、訪問者は海軍航空の進化とその重要性について学ぶことができます。

沿革

草創期

イギリスの海軍航空部門は1909年、軍用飛行船の建造から始まり、1911年に初の海軍飛行士が誕生しました。1912年には、海軍と陸軍の航空部隊が統合されてイギリス王立航空隊（RFC）が形成されました。その後、1914年にRFCから海軍航空団が独立し、王立海軍航空隊（RNAS）へと改編されました。

第一次世界大戦の際、RNASは艦隊偵察や敵の艦船の捜索、さらにはイギリス本土の防空が主な任務となりましたが、1918年にRNASは王立航空隊に統合され、イギリス空軍となりました。この結果、艦上機の更新が滞り、空母での航空作戦において日米に遅れを取ることになりました。

艦隊航空隊の形成

1924年には、航空母艦や戦闘艦艇からの作戦を行う部隊としてイギリス空軍艦隊航空隊が設立され、1939年には再び海軍の下部組織として艦隊航空戦隊に改名されました。第二次世界大戦において、艦隊航空戦隊は232機の航空機を保有し、戦争が終結する頃には、世界中に59隻の航空母艦と3700機の航空機を持つ規模に成長しました。

編制と機材

艦隊航空戦隊の飛行隊は「番号 NAS」として知られ、700から799までの番号が訓練や実験用に、800から899までの番号が実戦部隊および作戦転換部隊に割り当てられています。現在の飛行隊には、F-35Bやマーリン、ワイルドキャットなどが含まれています。

保有機材

固定翼機

2020年時点で、FAAはビーチクラフト キングエア350を4機保有しています。これに加えて、様々な回転翼機も運用しています。

回転翼機

回転翼機では、アグスタ-ウェストランドAW101マーリンHM.2を30機、AW159ワイルドキャットHMA.2を28機運用しています。

まとめ

艦隊航空戦隊は、その長い歴史の中で多くの重要な役割を果たしてきました。艦載機の運用や航空戦力の整備を通じて、海上作戦の重要な一翼を担っています。その変遷を辿ることで、近代戦における航空の役割とその進化を知ることができます。

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