ボイシ空港

ボイシ空港の概要

ボイシ空港（BOI）は、アイダホ州の州都ボイシのダウンタウンから南へ約5kmに位置する、同州南西部の主要な空港です。ボイシ市とその都市圏の空の玄関口として、重要な役割を担っています。空港は「ボイシ・エア・ターミナル」や「ゴーウェン・フィールド」とも呼ばれ、ホライゾン航空の拠点空港の一つであると同時に、ゼネラル・アビエーション空港としての機能も持ち合わせています。

定期便に加えて、チャーター便や自家用機も頻繁に発着し、アメリカ合衆国外からの航空機については、税関・国境警備局の許可が必要とされます。軍民両用空港として、アイダホ空軍州兵の軍用機も利用しており、また、アメリカ合衆国総合防火センター（NIFC）の消火活動拠点としても重要な役割を果たしています。

空港の運営は、ボイシ市の航空・公共交通局によって行われています。

ボイシ空港の歴史

1926年、ボイシ最初の市営空港が、現在のボイシ州立大学のキャンパスがある場所に開設されました。同年には、ボイシを拠点とする航空郵便会社バーニー航空が設立され、初の航空便が同空港から飛び立ちました。バーニー航空は成長を続け、後にナショナル航空交通と合併、ユナイテッド航空へと発展しました。

1927年には、チャールズ・リンドバーグが操縦するスピリットオブセントルイス号がこの空港に立ち寄りました。

現在のボイシ空港は、1936年に建設が開始されました。1938年には、全長8,800フィート（約2,680m）の滑走路が完成し、当時としては全米一の長さを誇りました。翌年には、旧空港からバーニー航空の鋼鉄製ハンガーが移設され、後に旅客ターミナルとして利用されました。この旧ターミナルは、2004年に新ターミナルが完成するまで使用されました。

第二次世界大戦中、空港はアメリカ陸軍航空隊に徴用され、B-17やB-24などの爆撃機のパイロット訓練基地として使用されました。終戦後、空港は市に返還され、その後もアイダホ空軍州兵が一部を借用し、現在に至るまで軍民共用の空港として運用されています。

1941年には、地元出身の陸軍士官ポール・ゴーウェン中尉にちなんで「ゴーウェン・フィールド」と命名されました。ゴーウェン中尉は、パナマでの飛行機事故で殉職しています。

空港の施設と運用

ボイシ空港は、約2,000ヘクタールの敷地に2本の滑走路を有しています。

滑走路10L/28R: 長さ3,048m、幅46mのアスファルト舗装。VASIシステムを装備。
滑走路10R/28L: 長さ2,976m、幅46mのアスファルト舗装。VASIシステム、ILS、DMEを装備。

空港内には、航空機の小規模なメンテナンスや修理を行う設備も整っています。

1日の平均発着回数は474機で、その内訳は、商用便が23％、軍用便が9％となっています。2019年の年間利用客数は411万人に達しました。

空港の警備は、25名の警官とパートタイムのアシスタントからなる独自の警察組織によって行われています。また、爆発物処理のために5匹の警察犬も配備されています。

「ゴーウェン・フィールド」は、一般的に滑走路南側に位置する空軍州兵、陸軍州兵、アメリカ陸軍、海軍、海兵隊の施設を指します。ゴーウェン・フィールドは、アイダホ空軍州兵第124飛行連隊の本拠地であり、A-10攻撃機やC-130輸送機が配備されています。

就航路線

ボイシ空港は、アイダホ州の主要都市であるボイシをカバーする空港として、主要航空会社のハブ空港への定期便が多数就航しています。また、複数のチャーター便も利用可能です。

この空港は、地域経済にとって重要な役割を担い、多くの旅行者やビジネス関係者にとって欠かせない存在となっています。

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