ボルテ

ボルテ・ウジン：チンギス・カンの最初の后妃、その生涯と影響

ボルテ・ウジン（1161年頃 - 1230年頃）は、モンゴル帝国の創始者であるチンギス・カンの最初の后妃であり、コンギラト部族の出身です。彼女は、モンゴル帝国の成立と発展に大きく貢献しました。

生い立ちと結婚

ボルテは、カブル・カン以来モンゴル部族と姻族関係にあったコンギラト部族の有力者デイ・セチェンの娘として生まれました。幼い頃にチンギス・カンの父イェスゲイとの間で婚約が結ばれ、成長後テムジン（後のチンギス・カン）と結婚しました。

メルキト族による略奪とジョチの誕生

結婚して間もなく、テムジンが勢力争いをしていたメルキト族に襲われ、ボルテは捕らえられてしまいます。その後、ケレイト部のオン・カンの協力により解放されましたが、この間に長男ジョチを懐妊します。ジョチの出生を巡っては、メルキト族の男との間にできた子ではないかという疑念も生じましたが、テムジンはジョチを嫡男として認知しました。

家庭と政治における貢献

ボルテは、ジョチを含め4人の息子（チャガタイ、オゴデイ、トルイ）と5人の娘を産みました。息子たちはチンギス・カンの後継者候補として、帝国建設に貢献。娘たちは、チンギス・カンと同盟した有力部族の長に嫁ぎ、帝国における政治的な繋がりを強固なものとしました。

チンギス・カンが勢力を拡大するにつれて、多くの女性が后妃として迎えられましたが、ボルテは常に正妻、第一后妃としての地位を保ち、特別な尊敬を受けました。チンギス・カンの直轄地である大オルドの管理を任され、遠征中のチンギス・カンに代わって領民を統治し、帝国の安定に貢献しました。

子女

長男：ジョチ
次男：チャガタイ
三男：オゴデイ
四男：トルイ
長女：コアジン・ベキ
次女：チェチェゲン
三女：アラガイ・ベキ
四女：トマルン
五女：アルタルン

登場作品

ボルテは、数多くの映画やテレビドラマに登場し、チンギス・カンの生涯を描く物語において重要な役割を果たしています。

映画：『蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜』(2007年、演：菊川怜)、『モンゴル』(2007年、演：ホラン・チョローン)
* テレビドラマ：『蒼き狼 成吉思汗の生涯』(1980年、演：倍賞美津子)

ボルテ・ウジンは、単なるチンギス・カンの妻としてだけでなく、モンゴル帝国の形成と発展に大きく貢献した女性として、歴史に名を刻んでいます。

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