ボルボ・C30

ボルボC30：コンパクトでスポーティなシューティングブレーク

ボルボC30は、ボルボ・カーズが2007年から2013年まで販売していた、コンパクトなシューティングブレークタイプの乗用車です。ボルボの乗用車ラインナップの中では最も小型のモデルとして、エントリーモデルに位置付けられていました。

デザインとプラットフォーム

C30のデザインは、2000年に発表されたコンセプトカー「SCC（Safety Concept Car）」にそのルーツを持ちます。SCCで既に採用されていた、特徴的なベルトラインの張り出しや、大きなガラスハッチを備えたリアデザインは、量産モデルであるC30にも受け継がれています。リアゲートのデザインは、過去のボルボ車である「P1800 ES」や「480」を彷彿とさせるもので、個性的なスタイルを確立していました。フロントマスクは、当時のボルボ車のデザイントレンドを踏襲したものです。

C30は、S40、V50、C70、マツダ・アクセラ、フォーカスと共通のフォード主導で開発されたプラットフォーム「フォード・C1プラットフォーム」を使用しており、欧州のCセグメントに分類されます。

エンジンとトランスミッション

C30には、幅広いバリエーションのエンジンが搭載されていました。ガソリンエンジンは1.6L、1.8L、2.4L、2.5Lターボの直列4気筒および直列5気筒エンジンが用意され、ディーゼルエンジンは2.0Lおよび2.4Lの直列4気筒および直列5気筒エンジンがありました。1.8Lエンジンの一部には、E85対応の「FLEXIFUEL」バージョンも存在しました。トランスミッションは5速または6速MT、5速ATが用意され、駆動方式はFFです。

安全装備

安全装備は、デュアルエアバッグ、ABS、ESP、TCSなど、当時としては充実したものが標準装備として搭載されていました。

日本市場での展開

日本市場では、2.4Lと2.5Lターボのガソリンエンジンを搭載したモデルが2007年7月に発売されました。グレードは2.4Lモデルの「2.4i Aktiv」、「2.4i SE」、2.5Lターボモデルの「T5」が設定され、価格は285万円から387万円でした。その後、2009年には2.0Lエンジンに6速DCT（Powershift）を組み合わせた「2.0e」シリーズが追加されました。しかし、後継モデルであるV40の登場に伴い、2013年8月に日本での販売は終了しました。

多様なコンセプトカー

C30は、その個性的なデザインとプラットフォームを活かし、数多くのコンセプトカーが発表されました。その中には、ツインターボエンジンを搭載した4WDの「エヴォルヴC30」、スーパーチャージャーと亜酸化窒素システムを搭載した「IPD C30 SEMAコンセプト」、300PSのハイパワーエンジンを搭載した「ボルボHS3ソーコンセプト」、そして405PSを発生する高性能モデル「C30 PCP」などがあります。また、プラグインハイブリッドシステムを搭載した「ReChargeコンセプト」や、電気自動車の「C30 DRIVeエレクトリック」なども開発され、環境性能にも配慮したモデル展開が試みられていました。これらのコンセプトカーの中には、市販化されたものもありますが、多くのコンセプトカーは市販化には至りませんでした。

まとめ

ボルボC30は、コンパクトなボディサイズとスポーティなデザイン、そしてボルボならではの安全性能を兼ね備えた、魅力的なモデルでした。様々なバリエーションとコンセプトカーを通して、ボルボの技術力とデザインセンスを示す存在だったと言えるでしょう。その個性的なデザインと、環境性能に配慮したモデル展開は、多くのユーザーを魅了し、ボルボの歴史において重要な位置を占める一台となっています。

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