ボルボ・S40

ボルボ・S40：安全性能とスポーティさを両立したセダン

ボルボ・S40は、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カーズが1995年から2012年まで製造・販売していたセダン型の乗用車です。コンパクトセダン市場において、高い安全性能と洗練されたデザインで知られていました。

初代S40 (1995年-2012年)

初代S40は、ボルボ・460の後継モデルとして開発されました。当初は「S4」という名称が予定されていましたが、アウディ・S4との重複を避けるため変更されました。オランダのネッドカー工場で生産され、三菱・カリスマとプラットフォームを共有するという特徴がありました。

前期型（1995年-2000年）

前期型は、英国人デザイナー、ピーター・ホルベリーがデザインを担当。発売当初から高い安全性に定評があり、ユーロNCAPにおいて4つ星を獲得した最初の車種の一つとなりました。オーストラリア、北アメリカ、南アメリカ、極東地域を中心に販売されました。

後期型（2000年-2004年）

2000年にはマイナーチェンジを行い、ヘッドランプやテールレンズのデザイン変更、ブレーキ性能の向上、サスペンションの改良などが実施されました。ボルボ独自の安全装備であるWHIPS（むち打ち症軽減システム）も搭載され、安全性能がさらに強化されました。

2代目S40 (2004年-2012年)

2004年、2代目S40が発売されました。このモデルでは、マツダ・アクセラやフォード・フォーカスとプラットフォームを共有する「フォード・C1プラットフォーム（ボルボ・P1プラットフォーム）」を採用。

前期型（2004年-2007年）

2代目では、ボディに複数のクランプルゾーンを採用し、側面にはSHIPS、後方にはWHIPSといったボルボ独自の安全システムを搭載。エンジンは、1.6Lから2.4Lターボのガソリンエンジンと、1.4Lから2.4Lのディーゼルエンジンがラインナップされました（ディーゼルエンジンは北米では販売されませんでした）。駆動方式は前輪駆動と四輪駆動が用意されていました。

後期型（2007年-2012年）

2007年にはフェイスリフトを行い、後期型へ移行。エントリーモデル「2.4 Aktiv」を追加するなどラインナップを拡充しました。2009年には、2.0L直列4気筒ガソリンエンジンと6速デュアルクラッチトランスミッションを搭載した「2.0e」を追加しました。2代目S40は、2012年にハッチバックモデルのV40（2代目）の発売に伴い生産終了となりました。

モータースポーツでの活躍

S40は、イギリスツーリングカー選手権(BTCC)やスウェーデンツーリングカー選手権(STCC)、オーストラリア・スーパーツーリング選手権(ASTC)など、様々なツーリングカー選手権に参戦しました。

特にBTCCでは、リカルド・リデル選手が1998年にシリーズチャンピオンを獲得するなど、数々の好成績を残しています。STCCでは、ヤン・ニルソン選手やマティアス・エクストローム選手らが活躍しました。オーストラリアの耐久レース、バサースト1000でも優勝を経験しています。これらのモータースポーツ活動を通じて、S40の高い性能と信頼性が証明されました。

まとめ

ボルボ・S40は、高い安全性能とスポーティな走り、そしてモータースポーツでの成功を収めた、記憶に残る一台です。コンパクトセダン市場に大きな足跡を残したモデルと言えるでしょう。

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