ボンビーノ・ビアンコ

ボンビーノ・ビアンコ：イタリア原産の白ブドウ品種

ボンビーノ・ビアンコは、イタリアを代表する白ブドウ品種の一つで、主としてアドリア海沿岸地域、特にプッリャ州で広く栽培されています。その歴史、特徴、栽培方法、そしてこのブドウから造られるワインについて詳しく見ていきましょう。

起源と歴史

ボンビーノ・ビアンコの正確な起源は不明ですが、その名前はイタリア語で「小さな爆弾」を意味し、ブドウの房の形状に由来すると考えられています。かつてはスペイン起源説もありましたが、現在ではイタリア南部原産、特にプッリャ州が原産地である可能性が高いとされています。

このブドウはイタリア各地で様々な別名を持っており、エミリア＝ロマーニャ州では「パガデビット（Pagadebit）」と呼ばれています。これは「借金を払う」という意味で、安定した収穫量が見込めることに由来します。また、ラツィオ州では「オットネーゼ（Ottonese）」という別名で知られていましたが、DNA鑑定により同一品種であることが確認されました。

栽培の特徴

ボンビーノ・ビアンコは晩熟型のブドウであり、非常に高い収穫量を誇ります。また、うどんこ病やべと病、灰色かび病などの一般的なブドウの病害に対する耐性も高く、比較的栽培しやすい品種と言えます。

他品種との関係

ボンビーノ・ビアンコは、ボンビーノ・ネロという品種と長い間、果皮色の突然変異種と考えられていましたが、DNA分析の結果、非常に近い関係にあるものの、別々の品種であることが判明しました。また、トレッビアーノ・アブルッツェーゼとも同一品種とされてきた経緯がありますが、DNA鑑定では明確な関係は確認されていません。

しかし、ボンビーノ・ビアンコは、プッリャ州のインピーニョやモスカテッロ・セルヴァティコといった品種の親である可能性がDNA鑑定によって示唆されています。

ワイン生産地域

ボンビーノ・ビアンコは、主にイタリア南部で栽培されており、特にプッリャ州、バーリ県、レッチェ県、フォッジャ県に集中しています。プッリャ州以外では、マルケ州、モリーゼ州、ラツィオ州などでも見られます。また、D.O.C.認定ワインであるパガデビット・ディ・ロマーニャの主要品種としても知られています。

ワインの特徴

ボンビーノ・ビアンコから造られるワインは、一般的に個性が穏やかで、アロマも強くはありません。しかし、柑橘類やハーブの香りが感じられることがあり、ミネラル感が際立つものもあります。ブレンド用として使用されることが多く、赤ワイン、白ワインの両方に用いられ、辛口から甘口まで幅広いタイプのワインが造られています。また、スティルワインだけでなく、フリッツァンテやスプマンテといった発泡性のワインも生産されています。

その他の用途

ワイン以外にも、ボンビーノ・ビアンコはレーズンやヴェルモットの製造にも利用されています。

まとめ

ボンビーノ・ビアンコは、イタリアのワイン文化において重要な役割を果たしているブドウ品種です。その多産性と病害への耐性から、安定したワイン生産に貢献しています。ボンビーノ・ビアンコから造られるワインは、日常の食卓に気軽に楽しめる一本として、幅広い層に親しまれています。

もう一度検索