ボー・スヴェンソン

ボー・スヴェンソン：国際的に活躍したアクション俳優

ボー・スヴェンソン（Bo Svenson、本名：Boris Lee Holder Svenson、1941年2月13日 - ）は、スウェーデン・ヨーテボリ出身のアメリカ合衆国の俳優であり、時には製作、監督、脚本も手掛ける。活字ではボー・スベンソン、ボー・スヴェンスンと記載されることもある。

生い立ちと経歴

父親はスウェーデン王室専属の運転手兼警護官、母親はロシア系。17歳の時に家族でアメリカへ移住。高校卒業後、海兵隊に入隊（1965年まで所属）し、除隊後、UCLAに入学。

身長193センチの大柄な体格と柔道黒帯の腕前、元海兵隊員という経歴から、主にB級アクション映画を中心に主人公から悪役まで幅広く演じる。イタリア映画や東南アジア映画等の外国映画にも進出し、日本映画『復活の日』（1980年）や『ユキエ』（1997年）、フジテレビのテレビドラマ『人間の証明』（2004年版）にも出演。1980年代から1990年頃には、ドナルド・プレザンス、ジョン・フィリップ・ロー、ジョージ・ケネディー等と並んで、世界でも多忙な俳優の一人であった。

イタリア映画界での活動

1965年のデビューからテレビ界を中心に活動してきたが、1975年に『華麗なるヒコーキ野郎』でロバート・レッドフォードの好敵手役に抜擢されたことが転機となり、以降はタフガイ俳優として認知されるようになった。しかし、キャリアは停滞気味であった。

イタリア映画には、エンツォ・G・カステッラーリ監督の戦争映画『地獄のバスターズ』（1977年）で初出演にして主役を務めた。この作品では、キャリアの低迷期にあったフレッド・ウィリアムスンや、当時無名だったピーター・フーテンと共演している。ウィリアムスンとは後に複数本の作品で共演することになる。

1980年代に入ると、現代マカロニ・ウエスタン『サンダー』(1983年)や『ダーティ・マグナム87』（1984年）、『激突！空中アトミック戦略/ヒーロー・ボンバー』（1986年）等の米国ロケのイタリア映画に主演するようになった。

その後は、外国で撮影された『デルタフォース・コマンド』（1987年）や『アフガン・フォース/戦場の黙示録』（1990年）等に敵役やゲスト出演的な役割で登場し、1990年代までイタリアの疑似米国映画へ出演し続け、世界各国のロケ地を旅した。その一方で、米国映画にも時折出演しており、『デルタ・フォース』（1985年）ではスター待遇を受け、クリント・イーストウッド監督・主演の『ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場』（1986年）にも脇役として起用された。

アジア映画への出演

多忙な出演活動の中で、1987年にはフィリピンで『地獄のフォーカス』に主演。香港系のシルヴァー・スター・フィルム社制作の戦争アクション物で、｢フィリピン・アクション・ギャング｣と呼ばれるキャストとスタッフが制作を担当した。また、同地でブルーノ・マッテイ監督のイタリア映画『ダブル・ターゲット』（1987年）に出演し、マイルズ・オキーフと対決する敵役のソ連軍将校役を演じた。

同年には、台湾ロケの米国映画『ホワイト・ファントム/霊幻戦士』にもゲスト的に出演。本作は、チャック・コナーズが出演した『桜NINJA』（1986年）のスタッフが制作に携わっていた。

ジャッキー・チェン監督・主演の香港映画『サンダーアーム/龍兄虎弟|サンダーアーム_龍兄虎弟』（1986年）にもカメオ出演している。ロケは旧ユーゴ・スラビアのクロアチアで行われたため、厳密にはアジア映画とは言えないが、香港のゴールデン・ハーヴェスト社と旧西ドイツのジャドラン・フィルムとの合作作品であった。

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