ポイズンJULIE澤田

ポイズン澤田：異端のプロレスラー、その毒とユーモアの軌跡

ポイズン澤田（本名：澤田篤男）は、日本のプロレス界において異彩を放った人物です。新日本プロレスでの挫折、海外での修行、そしてインディー団体での活躍を経て、DDTプロレスリングで独自のキャラクターを確立しました。彼のプロレス人生は、まさに波瀾万丈。その軌跡を辿ります。

新日本プロレス入門から海外修行時代

1981年、澤田は新日本プロレスに入門。しかし、1983年に負傷により退団という挫折を味わいます。その後、1988年にアメリカへ渡り、ボリス・マレンコが主宰する道場でトレーニングを積みました。同年、ベトナム人ギミックの「ホー・チー・ミン」としてデビューを果たします。

日本での活躍と「ポイズン澤田」誕生

1992年、澤田は日本に拠点を移し、「ホー・デス・ミン」と改名。PWC、IWA流山といった団体を渡り歩きます。IWA流山がユニオンプロレスと改称したのを機に、「ポイズン澤田」として新たなスタートを切りました。1994年には、ザ・マミーとの「ノーロープ有刺鉄線ランバージャック猛毒マムシデスマッチ」で、マムシに噛まれて「死にたくない!」と泣き叫ぶ姿が話題となり、インディープロレスファンにその名を知らしめました。

DDTプロレスリングでの飛躍

ユニオンプロレス離脱後、西日本プロレスを経て、1999年にDDTプロレスリングに参戦。「もう一度輝きたいレスラー」として、当初はコミカルな扱いを受けていましたが、2000年6月にアイアンマンヘビーメタル級王座を創設し、初代王者となります。同年9月には蛇神が降臨し、「蛇界転生」なるユニットを結成。「ポイズン澤田JULIE」と改名し、沢田研二を彷彿とさせるキャラクターでDDTのファンタジー路線を牽引しました。古巣である新日本プロレスの日本武道館大会にもゲスト出場を果たし、米山蛇織とのミックスタッグでJWP認定タッグ王座に挑戦するなど、その活躍は多岐に渡りました。

さらなる進化と引退

一時は宗教団体「蛇光」の教祖を名乗るなど、そのキャラクターは留まることを知りません。2005年には真人間「ポイズン澤田」に戻り、ユニオンプロレスを再旗揚げ。その後もDDTで「ポイズン澤田JULIE」を復活させるなど、二つの顔を使い分けました。2007年には蛇界を「フルーツ軍団」とするなど、常に新しい試みに挑戦。2009年には新日本の蝶野正洋とのシングルマッチが実現し、話題を呼びました。

2011年には「ポイズンJULIE澤田」に改名し、海賊ギミックに挑戦。しかし、2012年に頸椎ヘルニアの悪化により引退を決意。引退試合では「ポイズン澤田JULIE」に戻り、蛇界転生を復活させました。

引退後もプロレス界に貢献

引退後も、澤田はDDTの会場に姿を現し、ベルトの立会人などを務めました。2014年にはアイアンマンヘビーメタル級のベルトを巡る騒動で蛇軍団を復活させ、2015年からは東京女子プロレスに参戦し、若手選手を「ポイズン」化するなど、その影響力は衰えることを知りません。2022年には、DDT両国国技館大会にレジェンド軍の一員として参戦し、KO-D10人タッグ王座を戴冠しました。

ポイズン澤田の功績

ポイズン澤田は、その奇抜なキャラクターとエンターテイナー性で、プロレスファンを魅了し続けました。DDTプロレスリングにおけるファンタジー路線の確立に大きく貢献し、インディープロレス界の発展にも寄与しました。彼のプロレスは、単なる格闘技ではなく、観客を楽しませるためのエンターテイメントであることを教えてくれます。

得意技

パイレーツ A GOGO
キャトルミューティレーション
モアイ・オブ・イースター（ポイズン・ファンタジア）
呪文
マムシバイス
ガラガラスリーパー
足4の字固め
ヤマタノオロチ
フライングニールキック
チョークスラム
毒霧"グリーンミスト"

タイトル歴

PWCジュニアヘビー級王座
KO-D無差別級王座
KO-D10人タッグ王座
アイアンマンヘビーメタル級王座
自由が丘広小路会認定6人タッグ王座
KING OF DDTトーナメント優勝（2004年）
レッスルブレインカップ王座
* CMAヘビー級王座

ポイズン澤田は、その唯一無二のキャラクターで、プロレス史に名を刻んだ人物です。彼の残した功績は、これからも多くのプロレスファンに語り継がれることでしょう。

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