ボリス・マレンコ

ボリス・マレンコ(本名：ローレンス・J・サイモン)は、1933年6月28日生まれのアメリカ合衆国ニュージャージー州出身のプロレスラーである。現役時代はチェーン・デスマッチを得意とし、引退後はヒールマネージャーとして大きな成功を収めた。さらに、多くのレスラーを育成した名トレーナーとしても知られており、その功績は現在も語り継がれている。

初期のキャリアでは、クラッシャー・ドゥガンなどのリングネームを使用し、テキサスを中心に活躍した。その後、ラリー・サイモン名義でニューヨークや中西部を転戦。ナチス・ギミックのオットー・フォン・クラップとしてAWA世界タッグ王座を獲得するなど、着実にキャリアを積んでいった。ロシア人ギミックのヒール、プロフェッサー・ボリス・マレンコとして活動を始めると、NWA世界ヘビー級王座にも挑戦するなど、その名は全米に知れ渡るようになった。WWWFにも参戦し、ボボ・ブラジルやペドロ・モラレスといった強豪たちと激闘を繰り広げた。

1965年には日本プロレスに初来日し、以降も日本マットで活躍。1960年代後半からはフロリダを主戦場に、フロリダ・ヘビー級王座、ブラスナックル王座など数々のタイトルを獲得し、その実力を証明した。特にブラスナックル王座は8回獲得しており、彼のラフファイターとしての名声を決定付けたと言えるだろう。タッグマッチでも、ジョニー・バレンタインとのコンビで南部タッグ王座を獲得するなど、数々の輝かしい実績を残した。

1970年にはテキサスでジョニー・バレンタイン率いるヒール軍団の一員として活躍。ミル・マスカラスやワフー・マクダニエルといった強豪たちとの抗争を繰り広げ、NWAアメリカン・ヘビー級王座を獲得した。フロリダでは、ビューティフル・ブルータス、サイクロン・ネグロらとの血みどろのブラスナックル王座争いが記憶に残る。

1970年代には全[[日本プロレス]]、新[[日本プロレス]]にも参戦。アブドーラ・ザ・ブッチャーやザ・シーク、さらにはアンドレ・ザ・ジャイアントともタッグを組むなど、国際的な活躍もみせた。新[[日本プロレス]]では、アントニオ猪木と激しい抗争を繰り広げたマスクド・スーパースターのマネージャーを務め、葉巻を猪木の目に押し付けるなど、ヒールとして強烈なインパクトを残した。

1976年からNWAミッドアトランティック地区でプレイング・マネージャーに転向。タキシード、ステッキ、葉巻をトレードマークに、悪の紳士をイメージしたキャラクターでヒール勢をコントロールし、その手腕を見せつけた。レスラーとしても、NWAサウスイースタン・ヘビー級王座を争うなど、リングに上がり続ける。キャリア末期には、ランディ・サベージの父親、アンジェロ・ポッフォが主宰していたICWにも参戦した。

引退後はフロリダ州タンパでプロレスリングジム「マレンコ道場」を設立。カール・ゴッチの仲介により、多くの日本人レスラーも育成した。ジョー・マレンコ、ディーン・マレンコという、プロレスラーとして活躍した2人の息子を持つ。1994年8月27日、血液癌のため61歳で死去。2016年にはNWA殿堂、2018年にはWWE殿堂のレガシー部門入りを果たし、その功績は現在も高く評価されている。獲得したタイトルはAWA世界タッグ王座、NWAフロリダ・ブラスナックル王座8回、NWAアメリカン・ヘビー級王座など多数にのぼる。彼の功績は、プロレス界に多大な影響を与え続けたと言えるだろう。

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