ポチ型コルベット

ポチ型コルベット：ソ連海軍の小型対潜艦

ポチ型コルベットは、ソ連海軍が運用した小型の対潜艦です。NATOコードネームである「ポチ型コルベット」は、その愛らしい響きとは裏腹に、ソ連海軍では「204号計画型小型対潜艦」という正式名称で呼ばれていました。この艦は、ソ連海軍艦艇として初のガスタービンエンジンを搭載した艦であり、対潜兵装にも先進的な技術が用いられていました。

概要

ポチ型コルベットの最大の特徴は、その推進機関にあります。ソ連海軍の艦艇として初めてガスタービンエンジンを採用し、高い速力と機動性を実現しました。対潜兵装も初期型ではRBU-2500を搭載していましたが、後にRBU-6000を2基装備するなど、当時としては先進的な装備を搭載していました。

しかし、その一方で、対空・対水上兵装はマスト後方に装備された連装57mm砲1基のみと、非常に限定的でした。艦対空ミサイルやCIWS（近接防御火器システム）は搭載されておらず、航空機や対艦ミサイル攻撃に対しては極めて脆弱で、防空能力に大きな問題を抱えていました。

また、過小な船体が災いし、対空ミサイルなどの追加装備も困難でした。このため、より優れた対空能力を持つ1124型小型対潜艦や1241.2型小型対潜艦が登場すると、ポチ型コルベットは徐々にその役目を終えていきました。

建造と配備

ポチ型コルベットは、1960年から1968年にかけて計66隻が建造されました。ケルチ造船所で24隻、ゼレノドリスク造船所で31隻、ハバロフスク造船所で11隻が建造され、ソ連海軍の対潜戦力の一翼を担いました。

しかし、1980年代後半にはソ連海軍での運用を終え、退役しています。その後、一部の艦がブルガリア海軍（6隻）やルーマニア海軍（3隻）に引き渡され、それぞれの海軍で運用されました。

性能

• - 排水量:

- 基準：約500トン
- 満載：約560トン

• - 全長: 約59.4メートル
• - 全幅: 約8.0メートル
• - 吃水: 約2.8メートル
• - 機関: ガスタービンエンジン × 2基
• - 速力: 最大35ノット
• - 乗員: 約55名
• - 兵装:

- 57mm連装砲 × 1基
- RBU-2500またはRBU-6000対潜ロケット砲 × 2基
- 魚雷発射管 × 2基
- 機雷敷設能力

まとめ

ポチ型コルベットは、ソ連海軍の艦艇として初めてガスタービンエンジンを搭載するなど、先進的な技術が導入された艦でした。しかし、対空兵装の不足により、現代戦においては脆弱性が目立ちました。そのため、より高性能な対潜艦が登場すると、その役割を終え、退役することになりました。それでも、その設計は後の艦艇に影響を与え、ソ連海軍の歴史において重要な役割を果たした艦であると言えるでしょう。

関連項目

• - 対潜艦
• - 駆潜艇

外部リンク

vimpel.boinaslava.net（ブルガリア語）

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