ポップ対歌謡曲

日産ミュージック・ギャラリー ポップ対歌謡曲

『日産ミュージック・ギャラリー ポップ対歌謡曲』は、1967年4月10日から1995年9月まで朝日放送（ABCラジオ）で放送されていた人気ラジオ番組です。この番組は、日産自動車がスポンサーという形で提供され、放送は日産大阪ギャラリーから行われていました。放送時間は平日13:30から14:00までの30分間で、多くのリスナーに愛されました。

形式と内容

番組は「ポップ（洋楽）」と「歌謡曲（邦楽）」の二つの側に分かれたタレントたちがリスナーから寄せられたリクエストはがきを基にクイズで競い合う形式でした。ポイントを獲得した陣営は、そのリクエストに応じた曲が流れるという仕組みでした。クイズは通常4問でしたが、番組の後半では3問に減少し、最終問題には若手芸人や落語家の弟子たちがナンセンスなデータを元に出題することもありました。このような独自のクイズ形式により、視聴者は楽しみながら参加できる魅力的な内容となっていました。

番組で流れるリクエスト曲は短い時間しか流れないことが多く、出演者同士のアドリブやトークが繰り広げられる中、聴取者からの支持が顕著に表れました。特に関西地方では、聴取率調査において23期連続のベスト10入りを果たしています。このような人気番組は、出演者たちの個性とユーモアにより、リスナーにとって非常に魅力的でした。

司会者と出演者

放送当初から多くの著名な芸人やタレントたちが出演しました。特に上岡龍太郎、明石家さんま、島田紳助のトリオが司会を務めていた時期には、彼らの欠席時に特別ゲストが登場することもあり、非常に話題になりました。また、リポーターとして桂九雀が登場した際には、彼が急遽司会を務めたこともあります。

他にも出演したタレントには、吾妻ひな子、桂枝雀、桂三枝（後の六代目桂文枝）、笑福亭鶴光、笑福亭鶴瓶などがいます。これらのメンバーは、1970年代から1980年代の関西のお笑いシーンで非常に重要な役割を果たしました。番組の進行役には、大久保怜や最初の森乃福郎、キダ・タローなどが名を連ねています。

番組の移行と影響

1995年に終了した後、この番組は『妹尾和夫のニッサンおじゃマップKANSAI!』という後継番組に引き継がれました。番組の終焉に際しては1995年の阪神・淡路大震災の影響もありましたが、番組自体はその中でも無事に続けられました。日産ギャラリーおよびABCの本社にも影響はありましたが、目立った被害はありませんでした。

放送終了と同時に、日産大阪ギャラリーが長年にわたり放送の拠点となっていたABCセンターも2008年に閉鎖され、新社屋に移転しました。これにより、歴史的な番組が持つ象徴が一つ消えましたが、多くのリスナーの心の中には、今も変わらぬ思い出として残り続けています。

このように、『日産ミュージック・ギャラリー ポップ対歌謡曲』は、独自のスタイルの中で、視聴者との繋がりを生み出し、数多くの芸人やタレントとの交流を通じて、日本のラジオ文化に大きな影響を与えました。

もう一度検索