ポリオミノ

ポリオミノとは

ポリオミノとは、同じ大きさの正方形を辺どうしでつなげた多角形のことで、正方形が1つの場合も含みます。また、このポリオミノを使って、長方形などの特定の形を隙間なく埋めるパズルとしても知られています。1953年にソロモン・ゴロムによって考案されました。

ポリオミノの定義

n個の正方形をつなげた図形をn-オミノと呼びます。nには数字や、ギリシア語（またはラテン語）由来の倍数接頭辞が入ります。

ポリオミノという名前は、「多くの」という意味を持つ接頭語「poly-」と、「omino」から来ています。「omino」は、2つの正方形が辺でつながったドミノを「d-」と「omino」に分解して作られた造語で、ドミノを構成する正方形を意味します。

ポリオミノを愛好する人々は、英語で「ominist」と呼ばれ、芦ヶ原伸之はこれを「ミノ虫」と訳しました。

ポリオミノの種類と数

ポリオミノの種類は、正方形の数が増えるにつれて爆発的に増加します。数え方には、「両面」「片面」「有向」の3種類があります。

両面: 回転または裏返すことで重なる場合、同じ図形とみなします。
片面: 回転で重なる場合は同じ図形とみなしますが、裏返すと異なる図形とみなします。
有向: 向きが異なるものは全て異なるとみなします（平行移動で重なる場合は同じ）。

ポリオミノを使ったパズル

ポリオミノを使ったパズルとして最も有名なのは、長方形などの箱に隙間なく敷き詰める「箱詰めパズル」です。特に、ペントミノ（5つの正方形からなるポリオミノ）を6x10の長方形に敷き詰めるパズルはよく知られています。

敷き詰めるだけでなく、様々な条件を設定したパズルも存在します。例えば、ドミノの角が十字に集まらないように敷き詰めるパズルは、畳の敷き方としても知られています。

その他にも、以下のような条件が与えられることがあります。

単位正方形を長方形や平行四辺形に変形し、回転に制限を加える。
図形を単位正方形で市松模様に色分けし、全体で市松模様になるように敷き詰める。
箱の形を固定せず、合同な図形を複数作ったり、対称形になるように並べたりする。
同じ形のポリオミノで長方形を作る。

正方形以外の図形への応用：ポリフォーム

ポリオミノの正方形の代わりに、他の図形を使った多角形も存在します。これらは総称して「ポリフォーム」と呼ばれることがあります。

正三角形 → ポリイアモンド
正六角形 → ポリヘクス
直角二等辺三角形 → ポリアボロ
立方体 → ポリキューブ

これらの図形を使った箱詰めパズルも考案されており、テンヨーから「プラパズル」という商品名で市販されています。

ポリオミノを使ったゲーム

ドミノ: ポリオミノの名前の由来となったゲーム。0～6または0～9の数字が描かれた牌を使用します。
テトリス: 片面型テトロミノ（4つの正方形からなるポリオミノ）7種類を使った落ち物パズル。テトリミノという名称が使用されています。
ブロックス: 両面型モノミノ～ペントミノの計21個の牌を盤に置くボードゲームです。

また、ハナヤマからは「明治パズルシリーズ」として、お菓子をモチーフにしたポリオミノが発売されています（2022年現在）。

ポリオミノは、パズルとしてだけでなく、数学的な興味も引く奥深いテーマです。

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