ポリャーネ族 (西)

ポラン族：ポーランドの礎を築いた西スラヴ人

ポラン族（またはポリャーネ族）は、8世紀に現在のポーランド、グレーターポーランド地方のヴァルタ川流域に居住していた西スラヴ人の一派です。彼らはレヒト諸語に属し、「ポラン」という名前は古スラヴ語で平野や平原を意味する「polje」に由来します。

ポーランド王国の誕生

9世紀、ポラン族は周辺にいた他の西スラヴの集団を統合し、ピャスト朝を興しました。このピャスト朝こそが、ポーランド王国の起源となります。初期の統治者としては、伝説的なポピエルや車大工のピャストなどが知られていますが、歴史的な記録に最初に登場するのは、ピャスト朝5代目の君主であるミェシュコ1世です。

ミェシュコ1世の領土拡大

ミェシュコ1世は、マソヴィアを併合し、さらにシレジアやマウォポルスカ地方に居住していたヴィスワ族の土地を征服することで、ポーランドの領土を大きく拡大しました。彼の時代、ポーランドは政治的にも軍事的にも力をつけ、周辺地域における影響力を強めていきました。

ダゴーメ・イウデックス

「ダゴーメ・イウデックス」（ミェシュコ1世記）には、ミェシュコの支配の中心地がグニェズノであり、その領土はオーデル川からルーシ、マウォポルスカ（クラクフ）、そしてバルト海沿岸まで広がっていたと記されています。この記録は、当時のポーランド王国の勢力範囲を知る上で貴重な情報源となっています。

ポラン族の国の基盤

考古学的な調査からは、初期のポラン族の国の基盤となったと考えられる4つの主要な砦や都市が確認されています。

ギエチ
ポズナン
グニェズノ
オストルフ・レドニツキ：ポズナンとグニェズノの中間に位置する比較的小規模な砦

これらの拠点は、ポラン族の政治、経済、軍事の中心地として機能し、国家の発展を支えました。

東ポリャーネ族との区別

ポラン族という名前は、後にキエフ公国に住み、東スラヴ民族として独自の歴史を歩んだポリャーネ族（東）とも共通していますが、両者は異なる民族集団です。西ポラン族はポーランドの、東ポリャーネ族はロシアやウクライナの歴史において重要な役割を果たしました。

関連項目

ポーランド
西スラヴ人
ポリャーネ族 (東)
中世のスラヴ族

ポラニの名を持つ人々

ナオミ・ポラニ：イスラエルの舞台芸術監督。
ピエトロ・ポラニ：ヴェネツィア共和国の第36代元首。

ポラン族は、ポーランドの歴史の始まりを告げる重要な民族であり、その文化や社会制度は、後のポーランド王国に大きな影響を与えました。

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