マイカ・オーウィングス

マイカ・バートン・オーウィングス：異能の野球人

マイカ・バートン・オーウィングス（Micah Burton Owings、1982年9月28日 - ）は、アメリカ合衆国ジョージア州ゲインズビル出身のプロ野球選手。投手、内野手として、右投右打で活躍する異色の存在だ。現在はMLB・シアトル・マリナーズ傘下に所属。

高校時代の輝かしい実績

高校時代からその才能は際立っていた。ジョージア州の高校生最多記録となる通算69本塁打を放ち、打者としての非凡さを見せつけた。これは全米でも歴代4位に相当する記録である。

ドラフト指名と苦難の時代

2002年のMLBドラフトではコロラド・ロッキーズから2巡目指名を受けるも、契約には至らず。2003年にもシカゴ・カブスから指名されるが、再び契約は成立しなかった。しかし、同年にはサントドミンゴパンアメリカン競技大会のアメリカ合衆国代表に選出され、国際舞台を経験している。

ダイヤモンドバックスでの躍進

2005年のMLBドラフトでアリゾナ・ダイヤモンドバックスから3巡目指名を受け、プロとしてのキャリアをスタートさせる。2007年4月にはメジャー初昇格を果たし、ワシントン・ナショナルズ戦でデビュー。5回を1安打無失点6奪三振という見事な内容で、ランディ・ジョンソンの穴を埋める以上の活躍を見せ、ローテーション入りを掴んだ。6月には金炳賢からメジャー初本塁打を放つなど、打撃でも存在感を示す。

特に8月18日のアトランタ・ブレーブス戦では、投げては7回3失点とまずまずの内容ながら、打者としては5打数4安打2本塁打6打点と大爆発。1試合4安打4得点6打点を記録した投手はメジャー史上初であり、11塁打は過去50年で最多という記録尽くめの一日となった。また、ダイヤモンドバックス史上初の1試合2本塁打を記録した投手ともなった。

2007年は、50打数以上立った投手としては1973年以降で4位となる打率.333を記録。その打撃が評価され、シルバースラッガー賞を受賞した。

レッズ、そして古巣への復帰

2008年8月にはシンシナティ・レッズへ移籍。レッズでは野手としての出場も経験した。2009年は先発投手として起用されたが、リリーフに転向。打撃を活かすため、代打や投手への代打として起用されるなど、ユーティリティな活躍を見せた。

2011年には古巣ダイヤモンドバックスに復帰。しかし、2012年にはサンディエゴ・パドレスへ移籍するも、故障に苦しみ、シーズンを棒に振る。

独立リーグから再びメジャーへ

2013年以降はワシントン・ナショナルズ、ミルウォーキー・ブルワーズ、マイアミ・マーリンズとマイナー契約を繰り返す。2016年には独立リーグでプレーした後、シアトル・マリナーズとマイナー契約。2017年のスプリングトレーニングには投手として招待選手として参加するなど、メジャー復帰を目指し、現在も現役を続けている。

マイカ・オーウィングスは、投手としての能力に加え、卓越した打撃センスを兼ね備えた、非常に稀有な存在だ。度重なる移籍や故障を乗り越え、野球への情熱を燃やし続ける彼の姿は、多くのファンに感動を与えている。

プレースタイル

投打に優れた二刀流の選手であり、特に打撃センスはMLBでも高く評価されている。投手としては、最速95マイル（約153km/h）の速球と、スライダー、カーブ、チェンジアップなどを織り交ぜた投球で打者を打ち取る。野手としては、内外野をこなせるユーティリティ性も持ち合わせている。

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