マイクロニクス (ゲーム会社)

株式会社マイクロニクス：黎明期のゲーム業界を支えた開発会社

株式会社マイクロニクスは、1980年頃に八木一夫と塚田政彦によって設立されたゲームソフト制作会社です。詳細な会社概要、例えば従業員数や資本金、代表者が八木と塚田のどちらであったかなどは、残念ながら明らかになっていません。

マイクロニクスの主な業務は、カプコン、SNK、UPLといった大手ゲーム会社からの依頼を受け、アーケードゲームをファミリーコンピュータ（ファミコン）などの家庭用ゲーム機へ移植することでした。いわゆる下請けとしての役割を担い、数々の名作ゲームを家庭で楽しめるように尽力しました。

移植作品以外にも、『おにゃんこTOWN』や『もっともあぶない刑事』といった家庭用オリジナル作品も手がけており、その開発力の一端を垣間見ることができます。

1990年代には、スーパーファミコンで『雷電伝説』の移植に携わった後、社名を「株式会社カオス」に変更したという説があり、90年代中盤頃までゲーム業界で活動していたと考えられています。

社名変更後も、八木一夫や塚田政彦といった一部スタッフの名前は、任天堂のスーパーファミコン作品『Zooっと麻雀』、ビデオシステムのスーパーファミコン作品『ソニックウィングス』（アーケード版からの移植）、日本物産のメガドライブ作品『F1サーカスMD』（PCエンジン版のアレンジ移植）、ナムコのゲームボーイカラー作品『ポケットキング』などのスタッフロールに見られます。

主な開発作品

以下は、GDRIの情報を基にした、マイクロニクスが開発を手掛けた主な作品の一覧です。

ファミリーコンピュータ

1985年
6月28日 エレベーターアクション（タイトー）
8月28日 ゲイモス（アスキー）
11月21日 おにゃんこTOWN（ポニーキャニオン）
12月11日 1942（カプコン）
12月21日 エグゼドエグゼス（徳間書店）
1986年
2月8日 ソンソン（カプコン）
6月13日 魔界村（カプコン）※スタッフロールに八木一夫のニックネーム「Y.KAZZO」の表記あり
9月5日 スーパーピットフォール（ポニーキャニオン）
9月22日 ゴーストバスターズ（徳間書店）
11月26日 怒（ケイ・アミューズメントリース）
12月5日 タイガーヘリ（ポニーキャニオン）
1987年
6月5日 アテナ（SNK）
7月18日 ジャンボウ（ケイ・アミューズメントリース）
8月7日 ミラクルロピット 2100年の大冒険（キングレコード）
9月5日 ゾイド 中央大陸の戦い（東芝EMI）
12月4日 アウトランダーズ（ビクター音楽産業）
1988年
4月16日 怒II DOGOSOKEN（ケイ・アミューズメントリース）
5月27日 忍者くん 阿修羅ノ章（UPL）
12月10日 '89電脳九星占い by Jingukan（インダクションプロデュース）
12月16日 かぐや姫伝説（ビクター音楽産業）
1989年
1月27日 ゾイド2 ゼネバスの逆襲（東芝EMI）※説明書に社名の記載あり
8月4日 究極タイガー（CBS・ソニー）※スタッフロールに八木一夫のニックネーム「Y.KAZZO」の表記あり
12月8日 新・里見八犬伝 光と闇の戦い（東映動画）※パッケージ裏に「共同開発 株式会社マイクロニクス」と住所の記載あり
1990年
2月6日 もっともあぶない刑事（東映動画）※パッケージ裏に「共同開発 株式会社マイクロニクス」と住所の記載あり
10月19日 ブラッディ・ウァリアーズ シャンゴーの逆襲（東映動画）※パッケージ裏に「共同開発 株式会社マイクロニクス」と住所の記載あり
1993年
3月30日 快傑ヤンチャ丸3 対決!ゾウリンゲン（アイレム）
10月22日 大工の源さん2 赤毛のダンの逆襲（アイレム）
その他
Thundercade（※『特殊部隊UAG』の移植。日本未発売。ゲームクリア後、エンディングを一時間以上待機すると、「(カブ)マイクロニクス」の表記とともにスタッフのメッセージが日本語で表示される。）

ファミリーコンピュータ ディスクシステム

1988年7月19日
遠山の金さんすぺえす帖 MR.GOLD（東映動画）

スーパーファミコン

1991年11月29日
雷電伝説（東映動画） ※パッケージ裏に「共同開発 株式会社マイクロニクス」の記載あり

マイクロニクスは、黎明期のゲーム業界において、移植作業を通じて数多くのゲームを家庭に届け、また独自の作品も開発することで、ゲーム文化の発展に貢献した重要な企業の一つと言えるでしょう。

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