マイク・パットン

マイク・パットン：ジャンルを超越する異才のミュージシャン

マイク・パットン（Michael Allan Patton、1968年1月27日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の歌手、ボーカリスト、ミュージシャン、作詞家、作曲家です。1988年から1998年まで活動したロックバンド、フェイス・ノー・モアのリードシンガーとして、その名を知られています。

1999年には、インディペンデント・レーベル、イピキャック・レコーディングスを設立し、レーベルオーナーとしても活動しています。自らのバンドやプロジェクトに加え、ジャズ・サックス奏者ジョン・ゾーン、ハンサム・ボーイ・モデリング・スクールのダン・ジ・オートメーター、ザ・ディリンジャー・エスケイプ・プランなど、ジャンルを超えた様々なミュージシャンとのコラボレーション、ゲスト参加、映画のサウンドトラック制作、ゲームキャラクターの吹き替えなど、多岐にわたる活動を展開しています。

多彩なボーカルスタイル

パットンの特徴は、何と言ってもその多彩なボーカルスタイルです。フランク・シナトラ風の伸びやかな歌唱から、ファルセット、デスボイス、ラップ、ボイスパーカッション、叫び声、スキャットなど、あらゆるテクニックを使いこなします。その表現力は、他の追随を許しません。

主な参加バンド／プロジェクト

フェイス・ノー・モア (Faith No More) 1982年-1998年、2009年-

サンフランシスコで結成されたロック・バンド。パットンは1988年より参加。ヘヴィメタル、ファンク、ハードコア・パンク、プログレッシブ・ロック、ヒップホップ、ジャズなどの要素を取り混ぜたスタイルで知られています。ヒット曲は「Epic」(1989年)で、アメリカでトップ10入りを果たしました。

ミスター・バングル (Mr.Bungle) 1985年-2000年、2019年-

パットンが高校時代、同級生らと結成したバンド。フェイス・ノー・モアよりも実験的で、アバンギャルドな色合いが濃いのが特徴です。ヘヴィメタル、ファンク、フリー・ジャズ、サーフ・ロック、パンク・ロック、スカ、ノイズ、デスメタル、ボサノヴァ、カントリー・ミュージックからケチャ、サーカス音楽、アニメやテレビゲームの音楽まで、あらゆる要素を取り入れた音楽スタイルを展開。初期のライブでの奇抜な扮装（ピエロや死刑執行人、レザーのボンデージマスクなど）でも話題を呼びました。

ファントマス (Fantomas) 1998年-

パットンが、メルヴィンズのギタリストであるバズ・オズボーン、スレイヤーのドラマー、デイヴ・ロンバード、ミスター・バングルのベーシストだったトレヴァー・ダンと結成した、アヴァンギャルド・メタルバンドです。

トマホーク (Tomahawk) 2000年-

パットン、元ジーザス・リザードのギタリストのデュエイン・デニソン、元ヘルメットで現バトルスのドラマーのジョン・ステニアー、メルヴィンズのベーシストのケヴィン・ラトマニス（後に脱退）がメンバーとなったオルタナティブ・メタル／ロック・バンドです。

ラヴェージ (Lovage) 2001年-

ダン・ジ・オートメーター、パットン、エリージャン・フィールズのジェニファー・チャールズ、キッド・コアラなどによるプロジェクト。セクシーな歌詞の、ラウンジ・ミュージックのような音楽スタイルが特徴です。

ピーピング・トム (Peeping Tom) 2006年-

ノラ・ジョーンズ、ベベウ・ジルベルト、マッシヴ・アタック、ラゼールなどをゲストに迎えたソロ・プロジェクトです。

モンド・カーネ (Mondo Cane) 2007年-

パットンが、Aldo Sisillo、Roy Paciと共に行ったプロジェクト。オーケストラの演奏をバックに、イタリアの50年代、60年代ポップソングをカバーしています。

クルード (Crudo) 2008年-

ダン・ジ・オートメーターとのプロジェクトです。

ジョン・ゾーンとの親交

マイク・パットンは、前衛音楽家のジョン・ゾーンとも親交が深く、数多くのプロジェクトで共演しています。ゾーンの音楽性はパットンの音楽にも大きな影響を与えており、彼らのコラボレーションは常に音楽ファンを魅了しています。

マイク・パットンの音楽は、一言で表現することが難しいほど多様性に満ちています。彼の音楽は、聴く人の心を揺さぶり、新たな音楽の扉を開いてくれることでしょう。

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