マイケル・キエーザ

マイケル・キエーザ：レスリングからUFCファイターへ至る波瀾万丈のキャリア

マイケル・キエーザは、アメリカ合衆国コロラド州オーロラ出身の総合格闘家です。レスリングの素養を活かし、UFCで活躍するトップファイターとして知られています。高校時代はレスリングに打ち込み、大学には進学するもわずか3日で中退。その後はスポケーンのバドワイザーで働きながら総合格闘技のキャリアをスタートさせました。

TUFでの活躍とUFCデビュー

2012年、キエーザはリアリティ番組『The Ultimate Fighter (TUF)』シーズン15に参加。ユライア・フェイバー率いるチームの一員として、トーナメントを勝ち上がります。1回戦ではジェレミー・ラースンに判定勝ち、2回戦ではジャスティン・ローレンスをTKO、準決勝ではジェームズ・ヴィックをTKOと、圧倒的な強さで決勝進出。決勝ではアル・アイアキンタをリアネイキドチョークで一本勝ちし、トーナメント優勝を果たしました。この勝利で『サブミッション・オブ・ザ・ナイト』を受賞し、UFCとの契約を獲得します。

UFCデビュー戦となったUFC 157では、アントン・クイヴァネンをリアネイキドチョークで一本勝ち。順調なスタートを切りましたが、UFC on FOX 8でホルヘ・マスヴィダルにダースチョークで一本負けを喫し、キャリア初黒星を経験します。しかし、その後も積極的に試合を行い、コルトン・スミス、ジム・ミラー、ベニール・ダリウシュら強豪を相手に勝利を重ねていきます。これらの勝利では、幾度も『サブミッション・オブ・ザ・ナイト』や『ファイト・オブ・ザ・ナイト』、『パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト』を受賞するなど、その実力を証明しました。

ケビン・リー戦とウェルター級転向

2017年、ケビン・リーとの対戦では、1ラウンドにリアネイキドチョークでテクニカル一本負けを喫しました。この試合はレフェリーのストップの是非を巡り、大きな論争を巻き起こし、両者の間には深い因縁が残ることとなりました。その後、アンソニー・ペティスに敗れるなど苦戦が続いたものの、2018年にはウェルター級へ転向。UFC 232でカーロス・コンディットをキムラロックで一本勝ちし、ウェルター級での成功を掴みます。

ウェルター級での戦い

ウェルター級転向後は、ハファエル・ドス・アンジョス、ニール・マグニーと強豪を相手に連勝を収め、トップコンテンダーとして存在感を示しました。しかし、ビセンテ・ルケにダースチョークで敗れ、ショーン・ブレイディにも判定負けを喫するなど、ウェルター級でも容易ではない戦いを強いられることになります。

選手バス襲撃事件と訴訟

2018年には、選手バス襲撃事件に巻き込まれ怪我を負いました。この事件を受け、キエーザは事件に関与したコナー・マクレガーと、過失責任があると主張するバークレイズ・センターに対して民事訴訟を起こしました。

人物像

キエーザは、同じくイタリア系アメリカ人でTUF: Liveのキャストだったサム・シシリアと親友であることでも知られています。また、ケビン・リーとの記者会見での乱闘寸前となった一件は、彼の激しい闘争心と、時に感情的な一面を表す出来事でした。

戦績

キエーザは、卓越したレスリングとブラジリアン柔術を武器に、数々の勝利を収めてきました。彼のキャリアは、常に挑戦と困難に満ちたものですが、その経験は彼の強さと成熟につながっていると言えるでしょう。彼の今後の活躍から目が離せません。

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