マガジン (イギリスのバンド)

マガジン：英国ロック史に輝く異彩のバンド

マガジンは、1977年から1981年まで活動したイングランドのロックバンドです。バズコックスのオリジナルメンバーであったハワード・ディヴォートが、音楽性の違いから脱退後に結成しました。その音楽性は、耽美的で屈折した独特の演奏感覚と、ディヴォートのシニカルで文学的な歌詞が特徴であり、同時代のバンドの中でも異彩を放っていました。

結成と初期

1977年、ハワード・ディヴォートはバズコックスを脱退し、ジョン・マッギオークと共にマガジンを結成します。1978年には、シングル「Shot by Both Sides」でデビュー。パンクのエネルギーを残しつつも、より実験的で知的な音楽性を追求しました。

短い活動期間と解散

マガジンは、1981年までに4枚のアルバムをリリースしました。しかし、商業的な成功は得られず、ディヴォートは4枚目のアルバム『マジック、マーダー・アンド・ザ・ウェザー』の先行シングル「About the Weather」のチャートアクションに失望し、バンドを脱退。マガジンは解散しました。

再評価と再結成

解散後、マガジンの音楽は次第に再評価されるようになります。1980年代のニュー・ウェイヴにおけるネオサイケデリアの源流として、またレディオヘッドが影響を受けたと語ったことで、その存在が再び注目を集めました。

2009年2月、マガジンはハワード・ディヴォート、デイヴ・フォーミュラ、バリー・アダムソン、ジョン・ドイルの「クラシック・ラインナップ」で再結成ツアーを行います。ジョン・マッギオークは2004年に亡くなっていたため、アポロ440のノコがギタリストとして参加しました。2011年には、30年ぶりとなるオリジナルアルバム『No Thyself』をリリースし、ファンを歓喜させました。

メンバー

ハワード・ディヴォート (Howard Devoto)：ボーカル
ジョン・マッギオーク (John McGeoch)：ギター、サックス (故人)
デイヴ・フォーミュラ (Dave Formula)：キーボード
バリー・アダムソン (Barry Adamson)：ベース
ジョン・ドイル (John Doyle)：ドラムス
ノコ (Noko)：ギター (再結成時)

音楽性と影響

マガジンの音楽は、「ロキシー・ミュージックとヴェルヴェット・アンダーグラウンドの合体」とも評されました。耽美的な演奏、文学的な歌詞、そしてディヴォートの独特なボーカルスタイルが融合し、他に類を見ないサウンドを生み出しました。

特に、ギタリストのジョン・マッギオークは、ジ・エッジ（U2）、ジョニー・マー（元ザ・スミス）、ジョニー・グリーンウッド（レディオヘッド）など、数多くのギタリストに影響を与えたことで知られています。

ディスコグラフィー

リアル・ライフ (Real Life) (1978年)
セカンドハンド・デイライト (Secondhand Daylight) (1979年)
ザ・コレクト・ユース・オブ・ソープ (The Correct Use of Soap) (1980年)
マジック、マーダー・アンド・ザ・ウェザー (Magic, Murder and the Weather) (1981年)
* No Thyself (2011年)

まとめ

短い活動期間ながらも、その革新的な音楽性で多くのミュージシャンに影響を与えたマガジン。彼らの音楽は、今もなお色褪せることなく、多くの音楽ファンを魅了し続けています。

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