マクガイヤー・ブラザーズ

マクガイヤー兄弟：世界一重い双子のプロレスラー

マクガイヤー兄弟は、ビリー・マクガイヤーとベニー・マクガイヤーの双子によるプロレスラーのタッグチームです。本国アメリカでは「ザ・マクラリー・ツインズ」または「ザ・マクガイヤー・ツインズ」として知られ、その並外れた巨体からギネス世界記録に「世界一重い双子」として認定されました。

生い立ちと病

1946年12月7日、ノースカロライナ州ヘンダーソンビルで生まれたビリーとベニーは、4歳の時に風疹にかかりました。その影響で脳下垂体に異常をきたし、急激に体重が増加し始めたとされています。両親は兄弟の運動量を増やすために農場を購入し、食事制限も試みましたが、体重増加を抑えることはできませんでした。10歳までに91kg、16歳までには270kgに達したと言われています。高校を中退後、テキサス州に移り住み、家畜に焼印を押す仕事に従事しました。

プロレスへの道

その後、ラスベガスのカジノ「サーカス・サーカス」で働いた後、ロサンゼルスでミニバイクのパフォーマンスを披露しました。テキサス州エルパソで彼らを目にしたプロレスのプロモーターが、兄弟をプロレスの世界へと誘います。メキシコのシウダー・フアレスでトレーニングを積んだ彼らは、1971年12月に25歳でプロレスデビューを果たしました。

新日本プロレスでの活躍

1974年から1978年にかけて、マクガイヤー兄弟は新日本プロレスに参戦し、日本でもその名を知られるようになりました。星野勘太郎と坂口征二、木戸修と長州力などの強豪タッグチームを破り、その巨体と圧倒的なパワーで観客を魅了しました。また、藤波辰巳、藤原喜明、永源遙らとの変則タッグマッチも連日のように組まれ、その特異な存在感を示しました。

必殺技とプレイスタイル

彼らの必殺技は「テュペロ・スプラッシュ」と呼ばれ、片方が相手に腹から飛び込み、続いて「スチームローラー」で相手の上を転がるという、巨体を生かしたダイナミックな技でした。その体格から繰り出される攻撃は、まさに圧巻でした。

ビリーの死とベニーのその後

1979年7月14日、ビリーはオートバイ事故で32歳という若さで亡くなりました。兄の死後、ベニーはアンドレ・ザ・ジャイアントとのタッグを試みましたが、以前のような成功を収めることはできませんでした。その後、ベニーは古物商（質屋）を開き、競売人として生計を立てました。晩年はノースカロライナ州ウォーカータウンに移り、キリスト教の親睦団体で活動しました。

晩年と最期

ベニーは膝の軟骨をすり減らし、寝たきりの生活を余儀なくされました。2001年3月26日、心不全のため54歳でこの世を去りました。兄弟はヘンダーソンビル近郊の墓地に並んで埋葬されています。墓石にはホンダのバイクが描かれており、「世界最大の双子」と刻まれています。

私生活

兄弟は、モントリオールで出会ったマリーズとダニエル・ジュアリー姉妹と結婚しました。ベニーは熱心なキリスト教信者で、寝たきりになるまでゴルフを楽しんでいました。

マクガイヤー兄弟は、その特異な体格とプロレスへの情熱で、多くの人々の記憶に残る存在となりました。彼らの活躍は、プロレス史における異彩を放つ一ページとして、これからも語り継がれることでしょう。

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