永源遙

永源遙：大相撲からプロレス界へ、人脈と笑いを武器に駆け抜けた人生

1946年生まれ、石川県出身の永源遙は、15歳で初土俵を踏んだ大相撲力士としてキャリアをスタートさせました。立浪部屋に所属し、序二段優勝を果たすなど活躍を見せますが、幕下71枚目を最高位として1965年に廃業。その後、プロレスラーへの転身を果たします。

プロレスラーとしての華麗なる遍歴

1966年、東京プロレスに入団。木村政雄（ラッシャー木村）に師事し、永源勝というリングネームでデビューを果たします。その後、日本プロレスに移籍し、本名の永源遙として活動。前座戦線からキャリアを積み重ね、高千穂明久との黄金カードで人気を博します。

日本プロレス崩壊後は、アメリカへ武者修行に出かけ、グレート・トーゴーのリングネームで活躍。NWAセントラル・ステーツ地区を主戦場として、日本人ヒールとして北米タッグ王座を獲得するなど、成功を収めます。帰国後は新[[日本プロレス]]へ移籍し、長年にわたり中堅として活躍。荒川真との対戦は、後の百田光雄との長く続く抗争の伏線となりました。

1984年には長州力率いる維新軍団と共に新[[日本プロレス]]を離脱し、ジャパンプロレス設立に参加。その後、全[[日本プロレス]]へと移籍し、渕正信や大熊元司らと「悪役商会」を結成。ジャイアント馬場率いる「ファミリー軍団」との前座試合、「ファミ悪決戦」は、独特のお約束ムーブと永源の観客席へのツバ攻撃で人気を博しました。

SWS旗揚げの誘いを断り、現役を続行。1996年には地元石川県で30周年記念試合を行い、2000年にはプロレスリング・ノアへ移籍。取締役営業部長として重要な役割を担いつつ、リングにも上がり続けました。百田との100戦を超えるシングルマッチはノアの名物となり、永源のコミカルなファイトスタイルとツバ攻撃は、ノアでも健在でした。

2005年に最後のタイトルマッチに挑戦した後、2006年に現役を引退。引退記念パーティーには、プロレス関係者だけでなく、各界の著名人が多数出席する盛大なものとなりました。

引退後と最期

引退後もプロレスリング・ノアの常務取締役として活躍しましたが、2012年には暴力団関係者との交際が発覚し、辞職。その後も顧問的な立場として会社に関わっていました。2016年11月28日、サウナで倒れ、70歳で死去しました。

プロレス界随一の人脈と独特のキャラクター

永源は、プロレス界随一と言われる広範な人脈を築きました。地方のプロモーターとの深い繋がりや、政治家との交友関係は有名です。選手としてはコミカルなファイトスタイルが特徴でしたが、新[[日本プロレス]]での経験から培われたシュート技術も持ち合わせていました。

得意技と獲得タイトル

永源の代名詞ともいえる「ツバ攻撃」をはじめ、ヘッドバット、ジャイアントスイング、パイルドライバー、エルボー・ドロップなどを得意技としていました。獲得タイトルには、NWA北米タッグ王座（セントラル・ステーツ版）、IWA世界タッグ王座などがあります。

永源遙の生涯は、大相撲からプロレスへと活躍の場を変え、人脈と笑いを武器に、常にプロレス界の中心で輝き続けた、波乱に満ちた人生でした。その人となりは、多くのプロレスファンに深く記憶されています。

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