マグナ・インターナショナル

マグナ・インターナショナルについて

マグナ・インターナショナル（Magna International Inc.）は、カナダを拠点とする著名な自動車部品メーカーです。1957年にオーストリアから移住したフランク・ストロナックによって設立され、現在では自動車部品業界において、ドイツのボッシュやコンチネンタル、日本のデンソーといった大手に続く、世界第5位の規模を誇ります。2005年度の連結売上高は約2兆6000億円に達し、現在、22カ国に展開する224の生産拠点と60の製品開発エンジニアリングセンターを持ち、従業員数は約8万2000人に上ります。企業の本社はトロント郊外のオーロラ市に位置しています。

顧客と製品ライン

マグナ・インターナショナルの主な顧客には、ゼネラルモーターズ（GM）、クライスラー、フォード・モーター、BMW、フォルクスワーゲンなど、アメリカやヨーロッパの主要自動車メーカーが含まれています。最近では日本や韓国の自動車メーカーとの取引も積極的に拡大しています。また、BRICS諸国や東欧といった新興市場への投資にも意欲的で、新たなビジネスチャンスを模索しています。

マグナ・インターナショナルの製品群は多岐にわたり、シート、メタルボディ、シャーシ、クロージャー、エレクトロニクスなど、様々な車両部品を製造しています。非常に多様な部材を取り扱っているため、理論上はこれらの部品を組み合わせることで完成車を製造することも可能です。

買収と企業戦略

2007年には、ダイムラークライスラーのクライスラー部門の買収を試みましたが、結果的には投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントによって買収が成功しました。さらに2009年には、ゼネラルモーターズの欧州部門、具体的にはオペルとボクスホールをロシア貯蓄銀行との企業連合が買収する計画がありましたが、最終的にGMが売却を取りやめたため、計画は白紙撤回となりました。

マグナ・シュタイアとの関係

マグナ・インターナショナルの子会社であるマグナ・シュタイアは、オーストリアで活動を行っている自動車製造会社です。この企業では、クライスラー・ボイジャーやBMW・X3といった人気モデルの生産を行っており、年間約25万台の生産能力を誇っています。2006年の売上高は44億ドル（約5200億円）に達し、全体の18%を占める重要な部門となっています。

また、部品メーカーが自社で完成車を生産する事例としては、日本の八千代工業のようなケースも存在しますが、マグナ・シュタイアのように独立系製造会社が複数の企業向けに年間20万台以上を生産している事例は非常に珍しいです。高度な生産技術を持つ同社は、米国市場向けの工場に関して、J・D・パワーの調査において非常に少ない不具合の指摘を受けており、欧州地域の最優秀賞を受賞しています。

結論

マグナ・インターナショナルは、その広範な製品ラインと先進的な生産技術によって、自動車部品業界での強力なプレイヤーとしての地位を確立しています。新興国市場の開拓や多国籍メーカーとの提携を通じて、今後のさらなる成長が期待される企業です。

もう一度検索