マゴ

マゴ（Mago）について

マゴ（Mago）は、古代カルタゴでよく見られる名前であり、特に以下の人物が知られています。

紀元前6世紀後半のカルタゴの指導者
ハミルカル・バルカの息子（ハンニバルの弟）
ハンニバルの部下
カルタゴの著述家で農業研究家

1. 紀元前6世紀後半のカルタゴの指導者

マゴは、紀元前6世紀後半にカルタゴを事実上統治し、カルタゴ帝国の基礎を築いた人物です。彼はマゴ王朝の創始者となり、その一族は3世代以上にわたってカルタゴを支配しました。

2. ハミルカル・バルカの息子：マゴ・バルカ

マゴ・バルカ（紀元前243年 - 紀元前203年）は、カルタゴの将軍であり、名将ハミルカル・バルカの息子で、ハンニバルの弟にあたります。彼は第二次ポエニ戦争において重要な役割を果たしました。

第二次ポエニ戦争での活躍

イタリア遠征: マゴは兄ハンニバルのイタリア遠征軍に加わり、主要な戦闘に参加しました。紀元前218年のトレビアの戦いでは、騎兵を率いてローマ軍を奇襲し、勝利に貢献しました。
本国への帰還とイベリア戦線: カンナエの戦いの後、マゴは戦勝報告と増援要請のためカルタゴ本国へ帰還しました。兄ハスドルバルが率いるイベリア戦線が劣勢であったため、援軍を率いてイベリアへ派遣されました。イベリアでは一時的にカルタゴ軍の状況を好転させ、紀元前211年にはコルネリウス兄弟を戦死させる戦果を挙げました。
スキピオの登場とイベリアからの撤退: 大スキピオ（スキピオ・アフリカヌス）率いるローマ軍がイベリアに到着すると、戦況は一変しました。カルタゴ軍は敗退を重ね、マゴは本国へ逃げ帰りました。
イタリア再上陸と最期: 紀元前205年、マゴはハンニバルへの援軍として兵を率いてイタリア北部に上陸しましたが、ローマ軍に阻まれ、自身も重傷を負いました。ハンニバルの帰還と前後して本国へ向かう途中、戦傷が悪化し船上で亡くなりました。

3. ハンニバルの部下としてのマゴ

マゴは、第二次ポエニ戦争中にハンニバルの部下として活躍した将軍でもあります。彼はハンニバルから信頼され、しばしば軍の一部を任されました。カンナエの戦いでは右翼のカルタゴ兵を指揮し、ザマの戦いでは傭兵部隊を率いました。ザマの戦いで戦死したという説もあります。

4. 農業研究家としてのマゴ

マゴは、カルタゴの著述家であり、農業研究家としても知られています。彼はフェニキア人やベルベル人に伝わる北アフリカの伝統的な農業知識を28冊の著書にまとめました。原典は失われましたが、ギリシャ語とラテン語の翻訳が一部現存しています。これらの翻訳を通じて、古代カルタゴの農業技術や知識を知ることができます。

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