マッグズ・ブラザーズ

マッグズ・ブラザーズの歴史と貴重な品々

マッグズ・ブラザーズ（Maggs Bros）は、イギリスのロンドンに位置する著名な稀覯本および古書専門店です。この店舗は1853年に設立され、世界で最も古い古書店の一つとされています。シナイ写本やグーテンベルク聖書を含む歴史的かつ貴重な書籍を扱い、国内外の博物館や図書館など、幅広い顧客を持つ信頼の置ける存在です。さらに、イギリス王室からも御用達の賞を受けており、その名声は揺るぎないものとなっています。

創業の歴史

サマセット出身のユリア・マッグズが1853年にロンドンのパディントンで、雑貨、新聞、書籍を取り扱う店舗を始めました。1870年には古書を専門に扱うようになり、1894年には息子に経営を引き継ぎ、その後兄弟たちも参加して「マッグズ兄弟社」となるのです。1938年には、現在のメイフェア地区に移転し、1933年から1950年にかけてはパリにも支店を構えていました。2000年以降は、ユリアの孫であるエドが経営を引き継いでいます。

取り扱いのジャンル

マッグズ・ブラザーズでは、旅行書、英文学、中世の写本に加え、書誌、インキュナブラ、自然科学に関する書籍や著名人のサイン、本の原稿など、非常に多岐にわたる品々が取り揃えられています。特に印象深いのは、1916年にナポレオン・ボナパルトの遺体から切り取られたペニスを購入したという逸話や、1924年にはジョン・セーリスの『日本航海記』を東洋文庫に販売したことです。この書籍は後に国の重要文化財として認定されました。

1947年には、歴史的なグーテンベルク聖書の取引も行われており、これはその後、慶応義塾大学に渡ることとなります。1998年には、ウィリアム・キャクストンの出版した『カンタベリー物語』を420万ポンドという高額で購入するという成功も成し遂げました。さらに2013年には、3000点にわたる阿片の喫煙具や写真を売り立てる大規模なイベントを実施し、注目を集めました。このコレクションは、オランダの美術商が過去に収集していたものを以前にマッグズがコロンビアの大富豪に販売したものでした。

バークリー・スクエアの神秘

マッグズ・ブラザーズが位置するバークリー・スクエア50番地の建物は、幽霊屋敷としての一面も持っています。この18世紀に建設されたタウンハウスは、1770年から1827年までイギリス元首相のジョージ・カニングが居住していた場所です。言い伝えでは、ここで自殺した若い女性の霊が出るとされていますが、マッグズ古書店のスタッフは今までにそのような霊を見たことはないと報告しています。ただし、過去に一人のスタッフが霞のようなものを見たと語ったことはあります。

結論

マッグズ・ブラザーズは、その長い歴史と数々の貴重な書籍の取り扱いによって、世界の古書店の中でも特に特異な存在感を持呼びかけています。古書や稀覯本に興味がある方は、ぜひ一度訪問してその魅力に触れてみることをお勧めします。

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