マット・カリル

マット・カリル：卓越した才能を持つオフェンシブタックル

マット・カリル（Matt Kalil、1989年7月6日生まれ）は、カリフォルニア州コロナ出身のアメリカンフットボール選手です。ポジションはオフェンシブタックルで、現在はフリーエージェントとして活躍の場を求めています。彼は、オールプロセンターとして知られるライアン・カリルの弟でもあります。

大学時代

高校時代からその才能は高く評価されており、Rival.comから5つ星、全米で3番目のオフェンシブタックルと評価されました。南カリフォルニア大学（USC）に進学後、1年次には右タックルの控えとして、主にスペシャルチームでプレーしました。ボストンカレッジ戦で初先発を果たし、その才能の片鱗を見せました。

2年次には、チャールズ・ブラウンから左タックルのポジションを奪い、全13試合に先発出場。ディフェンシブラインマンやスペシャルチームとしてもプレーし、ノートルダム大学戦ではPATをブロックするなど、多才ぶりを発揮しました。3年次の2011年にも左タックルとして先発出場し、チームのトータルオフェンスを支え、1試合平均456.8ヤード獲得に貢献しました。

この年、カリル自身はQBサックを許さず、オフェンシブラインユニット全体としても、QBマット・バークリーを全米最少の8被サックと守り抜きました。その活躍が認められ、モリス賞を受賞、ロンバルディ賞のセミファイナリストにも選ばれました。

2010年シーズン終了後には、2012年のNFLドラフトで最も優れたオフェンシブラインマンとして注目を集め、2011年12月16日にアーリーエントリーを表明。先発した24試合で相手選手に許したQBサックは、わずか1回という驚異的な数字を記録しました。

NFLでの活躍

NFLドラフトコンバインでも高いパフォーマンスを見せ、ドラフトでは全体4位でミネソタ・バイキングスから指名されました。バイキングスがドラフト1巡でオフェンシブラインマンを指名するのは、2002年のブライアント・マッキニー以来のことでした。

カリルはUSCのオフェンシブラインマンとしては、過去にロン・イエーリー、マービン・パウエル、アンソニー・ムニョス、トニー・ボセリに次いで5人目のドラフトトップ5で指名された選手となりました。また、同僚のタイロン・スミスも前年のドラフトで上位指名されており、同一大学のオフェンシブラインマンが2年連続でドラフトトップ10で指名されるという快挙を達成しました。

2012年7月26日、バイキングスと4年契約を締結。シーズン開幕戦のジャクソンビル・ジャガーズ戦では、ジョシュ・スコービーのPATをブロックしました。この年、チームは10勝6敗でプレーオフに進出し、カリルらのブロックもあり、エースRBのエイドリアン・ピーターソンは、NFL新記録まであと9ヤードに迫る2,097ヤードを走破しました。

シーズン終了後、ワシントン・レッドスキンズのトレント・ウィリアムスが負傷したため、代役としてプロボウルに選出されるという栄誉にも輝きました。

家族

父親のフランク・カリルは、アーカンソー大学のセンターとして活躍し、NFLやUSFLでプレーしました。兄のライアン・カリルもUSCでオールアメリカンに選ばれ、NFLのカロライナ・パンサーズなどで活躍しました。まさにフットボール一家と言えるでしょう。

マット・カリルは、その卓越した才能と努力で、今後もアメリカンフットボール界で輝かしい足跡を残していくことが期待されます。

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