2012年のNFLドラフト

2012年NFLドラフトの詳細

2012年のNFLドラフトは、NFLの全32チームが将来有望な選手たちを指名するイベントで、4月26日から28日までの3日間、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開催されました。このドラフトでは、合計253名の選手がNFLチームから指名を受け、それぞれのチームで新たなキャリアをスタートさせました。

ドラフトは3日間に渡って行われ、初日には注目の1巡指名、2日目には2巡と3巡の指名、そして最終日には4巡から7巡の指名が行われました。1巡指名選手の発表はNFLコミッショナーのロジャー・グッデルが行い、2巡指名選手は各チームのレジェンド（往年の名選手）が発表するという、特別な演出がありました。

この年のドラフトでは、多くのトレードが成立し、チーム間での指名権の移動が頻繁に行われました。特に、上位指名権を得るためのトレードアップや、下位指名権との交換を目的としたトレードダウンが目立ちました。また、人気ゲーム「マッデンNFL13」のカバーアスリートに選ばれたデトロイト・ライオンズのカルビン・ジョンソンも会場に登場し、ドラフトを盛り上げました。

2011年シーズンに最も成績が悪かったインディアナポリス・コルツが、全体1位指名権を行使しました。コルツは、2010年にハイズマン賞を受賞したアンドリュー・ラックを指名することを事前に発表。これは、2011年に長年チームを支えたペイトン・マニングが怪我で欠場し、チームが開幕から連敗を喫したことが背景にあります。ファンの中には、翌年のドラフトで全体1位指名権を獲得するために、コルツが負けることを願う「Suck for Luck」と呼ばれるキャンペーンを行う人もいました。

この年のドラフトには、過去最多となる26人の新人選手が招待され、そのうち20名が1巡で指名されるという注目度の高さでした。

7巡までの指名では、アメリカ国外出身の選手も5名指名を受けました。カナダ出身のタイロン・クロフォード（3巡81位）、フィリップ・ブレイク（4巡108位）、イギリス出身のジャック・クロフォード（5巡158位）、アンゴラ出身のクリスト・ビルキディ（6巡189位）、ドイツ出身のマーカス・クーン（7巡239位）が、それぞれのチームから指名を受けました。

指名順序は、レギュラーシーズンの成績が悪いチームから順に決定されました。勝率が同じ場合は、より厳しいスケジュールをこなしたチームが優先されました。プレーオフに進出したチームは、プレーオフを逃したチームよりも後になり、第46回スーパーボウルで優勝したニューヨーク・ジャイアンツが最後の指名となりました。

複数のチーム間で勝率やスケジュールの難易度が同じだった場合、コイントスで順位が決定されました。マイアミ・ドルフィンズとカンザスシティ・チーフスがコイントスに勝利しました。

ワシントン・レッドスキンズは、全体2位指名権を獲得するために、多くの指名権をセントルイス・ラムズにトレードしました。オークランド・レイダースは、カーソン・パーマーを獲得するために、シンシナティ・ベンガルズに2012年のドラフト1巡指名権などをトレードしました。アトランタ・ファルコンズは、前年のドラフトでフリオ・ジョーンズを獲得するために、クリーブランド・ブラウンズにこの年のドラフト指名権などをトレードしました。ニューオーリンズ・セインツは、前年のドラフトでマーク・イングラムを獲得するために、ニューイングランド・ペイトリオッツからドラフト1巡指名権を獲得し、この年のドラフト1巡指名権をトレードしました。クリーブランド・ブラウンズは、全体3位指名権を獲得するために、ミネソタ・バイキングスに全体4位指名権と4巡、5巡、7巡指名権をトレードしました。

日本においては、GAORAが日本のテレビ局として初めてNFLドラフトの生中継を行いました。全米では、ESPNとNFLネットワークが放送を行い、ディオン・サンダースが司会を務めました。

ドラフト後には、ドラフトで指名されなかった選手を対象とした補足ドラフトが7月12日に行われました。8人の選手がエントリーしましたが、クリーブランド・ブラウンズがジョシュ・ゴードンを2巡で指名したのみでした。この指名により、ブラウンズは2013年のドラフトで2巡指名権を失いました。

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