マット・フリン

マット・フリン：波瀾万丈なキャリアを歩んだジャーニーマンQB

マット・フリン（Matthew Clayton Flynn , 1985年6月20日 - ）は、テキサス州タイラー出身の元アメリカンフットボール選手です。現役時代のポジションはクォーターバック（QB）でした。

プロ入りまで

フリンは、フットボール一家に生まれ育ちました。父親はベイラー大学でQBとして活躍し、母親はダンスチームの振付師というスポーツと芸術に親しむ環境でした。高校時代には、後にNFLで活躍するジャスティン・ウォレンらとチームメートでした。彼はドリュー・テイトと共に、テキサス州を代表するQBとして名を馳せました。

高校3年生のシーズンには、パス199回中101回成功、1,650ヤード、13TDを記録。最終学年では、パス206回中124回成功、1,679ヤード、9TD、ランでも305ヤード、12TDをマークしました。ルイジアナ州立大学、テネシー大学、テキサス工科大学、テキサス農工大学などからリクルーティングを受け、最終的にルイジアナ州立大学（LSU）へ進学しました。

LSUでは、2003年をレッドシャツで過ごした後、2004年にはマーカス・ランドール、ジャマーカス・ラッセルに次ぐ第3QBとなりました。この年、FGの際のホールダーを務めながら、3試合にQBとして出場。ミシシッピ州立大学戦では、ゼイビア・カーターへの67ヤードのTDパスを成功させました。アイオワ大学とのキャピタルワンボウルにも出場しましたが、パス4回中1回成功、11ヤードに終わり、チームは敗北。この年の成績は、パス10回中4回成功、99ヤード、1TDでした。

2005年、ジャマーカス・ラッセルとエースQBの座を争いましたが、ラッセルに軍配が上がり、フリンは控えQBとなりました。しかし、7試合に出場し、パス48回中27回成功、457ヤード、7TD、1INTの成績を残しました。北テキサス大学戦ではパス7本全てを成功させ、139ヤードを獲得、第4Qだけで3TDをあげる活躍を見せました。ジョージア大学とのサウスイースタン・カンファレンス選手権では、先発したラッセルが負傷退場し、フリンが交代出場。マイアミ大学とのピーチボウルに先発出場し、チームを勝利に導きました。

2006年もラッセルの控えを務めましたが、7試合に出場し、パス20回中12回成功、133ヤードを獲得、2TD、1INTの成績を残しました。

ラッセルがNFL入りした2007年、フリンはようやくエースQBとなりました。カンファレンス選手権こそ負傷で欠場したものの、全試合で先発出場し、2,407ヤードを獲得、21TD、11INTの成績を残しました。また、ランでも215ヤードを走り4TDをあげました。オーバーン大学戦では、試合時間残り1秒にデミトリアス・バードへのTDパスを成功させ、劇的な勝利を飾りました。アラバマ大学戦でもオーバータイムの末、勝利しました。

そして、ニューオーリンズで行われたオハイオ州立大学とのBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームで、フリンはパス27回中19回成功、4TDの活躍を見せ、チームを38-24での勝利に導き、オフェンスMVPに選ばれました。チームも全米ランク1位に輝きました。

NFL

2008年のNFLドラフト7巡目でグリーンベイ・パッカーズに指名され、4年契約を結びました。ブライアン・ブロームとの控えQB争いに勝ち、アーロン・ロジャースの控えとなりました。

2010年12月19日のニューイングランド・ペイトリオッツ戦で初先発を果たしましたが、チームは惜敗。2012年1月1日に行われた最終週のデトロイト・ライオンズ戦では、パスで480yd、6TDを決め、チームを勝利に導きました。この時の獲得ヤードとTD数はパッカーズのチーム記録となっています。

2012年3月18日、シアトル・シーホークスと契約。タバリス・ジャクソン、ラッセル・ウィルソンと先発QBの座を争いましたが、ウィルソンに敗れました。

2013年4月2日、オークランド・レイダースにトレードされましたが、開幕先発QBにはなれませんでした。その後、バッファロー・ビルズと契約しましたが、出場機会はなく解雇。

2013年11月12日、グリーンベイ・パッカーズに復帰。ミネソタ・バイキングス戦でオーバータイムに持ち込む活躍を見せましたが、デトロイト・ライオンズ戦では精彩を欠きました。しかし、ダラス・カウボーイズ戦では、4TDをあげる活躍でチームを勝利に導きました。

フリンは、NFLでジャーニーマンとして様々なチームを渡り歩きましたが、その才能と経験でチームに貢献しました。彼のキャリアは、決して平坦ではありませんでしたが、常に前向きに挑戦し続ける姿勢は、多くの人々に感動を与えました。

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