マツダ・ラピュタ

マツダ ラピュタ：軽自動車の枠を超えたクロスオーバーSUV

マツダ ラピュタは、1999年から2006年まで販売されていた、スズキ・KeiをベースとしたクロスオーバーSUVタイプの軽自動車です。セダンよりも高い全高と大径タイヤ、高い最低地上高により、悪路走破性にも優れた一台として注目を集めました。視界の良い運転席位置も特徴で、多くの立体駐車場にも対応できるセミトールスタイルが採用されています。

デザインとパッケージング

基本的なデザインはスズキ・Keiと共通ですが、ボンネットフードとハッチゲートにはマツダのエンブレムと車名エンブレムが装着され、マツダ車としてのアイデンティティが主張されています。セダンとSUVの中間的な存在感を持ち、スタイリッシュさと実用性を両立したデザインが魅力でした。

エンジンと性能

搭載エンジンは、直列3気筒DOHC-VVTエンジン、直列3気筒DOHCターボエンジン、直列3気筒SOHCターボエンジンの3種類。環境性能にも配慮されており、VVTエンジンは「優-低排出ガス」、ターボエンジンは「良-低排出ガス」認定を取得しています。ターボグレードのベース車であるE-limitedは、「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」「平成22年度燃費基準+5%」を達成し、グリーン税制対象車にも指定されていました。

グレード展開と歴史

1999年の発売当初は、「G」「X」「S」の3グレードが設定され、ターボエンジン車が中心でした。その後、マイナーチェンジや特別仕様車の追加を繰り返し、グレード体系は変遷していきます。

1999年10月： マイナーチェンジ。内装変更、クラッチスタートシステム追加など。
2000年2月： 特別仕様車「Xポッパー」発売。アルミホイール、スポーティな内装などを採用。
2000年6月： 特別仕様車「Fun2エディション」発売。ボディ同色ドアミラー、専用シート地などを採用。
2000年10月： マイナーチェンジ。マツダ独自のフロントグリルを採用し、フロントデザインを一新。グレード体系も刷新。
2001年4月： 一部改良。環境性能向上、「優-低排出ガス車」「良-低排出ガス車」認定取得。
2001年11月： 一部改良。キーレスエントリー、ボディカラー変更、エンジン変更など。
2002年4月： 「XE」の4AT車が「超-低排出ガス車」認定を取得。
2002年7月： 特別仕様車「XEリミテッド」発売。
2002年11月： 一部改良。「S」を「S-Turbo」、「XEエクストラ」を「X-Turbo」に改名。グレード体系の見直し。
2003年9月： 一部改良。シート表皮、オーディオデザイン変更など。
2004年4月： 「E Limited」が「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」認定を取得。
2006年1月： 生産終了。
* 2006年4月： 販売終了。

車名の由来

車名は、ジョナサン・スウィフトの小説『ガリヴァー旅行記』に登場する空飛ぶ島「ラピュタ」に由来しています。

まとめ

マツダ ラピュタは、軽自動車でありながら、SUV的な要素を取り入れ、個性的な存在感を放つ一台でした。環境性能にも配慮したエンジンや、多様なグレード展開も魅力の一つでした。2006年の販売終了後も、その独特のデザインと走破性は、多くのユーザーの記憶に残り続けています。 後継車種としては、スズキ・ハスラーをベースとしたマツダ・フレアクロスオーバーが挙げられます。 ラピュタは、マツダの軽自動車戦略において重要な役割を果たしたモデルと言えるでしょう。

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