マツダ・MX-6

マツダ MX-6：洗練されたクーペの系譜

マツダMX-6は、マツダがかつて製造・販売していたクーペタイプの乗用車です。北米市場で高い人気を博し、後に日本やヨーロッパ市場にも進出しました。スポーティなデザインと優れた走行性能を両立させたモデルとして、多くのファンを魅了しました。

初代 GD型 (1987年 - 1992年)

初代MX-6は、1987年に北米市場で登場しました。ベースとなったのはカペラC2の北米仕様車であり、それまでの626クーペから車名が変更された点が注目されます。欧州市場では引き続き626クーペとして販売されました。

GDプラットフォームを採用し、パワートレーンには直列4気筒のF型エンジンを搭載。特に北米仕様車には、日本や欧州仕様車にはない2.2Lエンジンが搭載され、力強い走りを実現しました。このエンジンは、初代フォード・プローブGTにも搭載されたものと同一です。トランスミッションは、オーバードライブ付4速ATと5速MTの2種類が用意されていました。1992年に生産が終了しました。

2代目 GE型 (1992年 - 1997年)

2代目MX-6は、1992年に登場しました。この世代から、日本と欧州市場でも「MX-6」の車名で販売されるようになりました。販売チャネルはマツダ店でした。

ベース車両は、カペラの後継車種として1991年に発売されたクロノスです。バブル景気による好況を受け、当初の予定を前倒しして発売されました。GEプラットフォームは、クロノス以外にもMS-6、MS-8、ユーノス500、クレフ、2代目プローブ、3代目テルスターなど、多くのマツダ車に共有されており、多様な姉妹車が存在したことが特徴です。

ボディスタイルはノッチバックの2ドアクーペで、クロノス同様に3ナンバーのワイドボディを採用。ボリューム感のある曲線を多用した、流麗なデザインが魅力でした。エンジンは、クロノス系姉妹車と共通の新型K型V型6気筒DOHCエンジン（KL-ZE型2.5L、KF-ZE型2.0L）を搭載。トランスミッションは5速MTと4速ATが組み合わされました。

1994年6月には一部改良が行われ、ボディカラーの整理や4WSのグレード別設定、リアスポイラーやサンルーフの設定変更などが行われました。エアコンも、一部グレードではマニュアル式となりました。

1997年に販売を終了しました。日本国内での販売台数は5,000台程度と限定的でしたが、海外市場、特にイギリスでは高い評価を受け、カーオブザイヤーを受賞するなど、グローバルな成功を収めました。

まとめ

MX-6は、マツダの技術力を象徴するクーペとして、そのスタイリッシュなデザインと優れた走行性能で、多くのドライバーを魅了しました。日本国内での販売台数は少なかったものの、海外市場での成功は、MX-6の持つポテンシャルの高さを示しています。フォード・プローブとの姉妹車関係も、当時のマツダとフォードの協業関係を示す重要な事例となっています。

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