マニラ (競走馬)

マニラ：1980年代アメリカ芝路線を席巻した名馬

マニラは、1980年代のアメリカ競馬界を代表するサラブレッド競走馬であり、種牡馬としても知られています。その活躍は、アメリカ競馬史に大きな足跡を残し、2008年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たす栄誉に浴しました。

華麗なる競走馬時代

フィリピンを拠点とする大手食料品販売店会長の所有馬として誕生したマニラは、名種牡馬リファールを父に持ち、恵まれた血統を受け継いでいました。1985年のデビュー戦は7着と振るわなかったものの、翌1986年には芝路線に転向。すると、その才能が開花し始めます。

芝に転向してからは驚異的な強さを発揮し、数々の重賞レースを制覇。特に注目すべきは、1986年のブリーダーズカップ・ターフでの勝利です。このレースでは、ヨーロッパの最強馬ダンシングブレーヴをはじめ、錚々たるメンバーが出走。大いに注目を集める中、マニラは見事勝利をもぎ取りました。この勝利は、アメリカ競馬界に大きな衝撃を与え、マニラの名を世界に知らしめることとなります。他にも、ユナイティッドネイションズハンデキャップ、ターフクラシックなど、数々のG1競走を制覇し、1986年のエクリプス賞最優秀芝牡馬にも輝きました。

1987年も活躍を続け、ユナイティッドネイションズハンデキャップ連覇、アーリントンミリオン制覇など、高い競争力を維持。しかし、アーリントンミリオンの後遺症により、ブリーダーズカップを前に惜しまれつつも引退することとなりました。通算成績は18戦12勝2着5回という輝かしい戦績を残しています。

種牡馬としての歩みと評価

引退後は種牡馬として繋養され、2000万ドルという高額なシンジケートが組まれるも、期待されたほどの成功は収められず、トルコへ輸出されました。それでも、ハリウッドターフカップハンデキャップ連覇馬のBien Bienなど、G1馬Bienamadoを輩出するなど、その血統は後世に受け継がれています。日本にも、クリスタルカップ勝ちのキングオブケンという産駒がいます。

数々の栄光と惜しまれる引退、そして種牡馬としての挑戦と、その功績は長く記憶されるでしょう。2009年に大動脈破裂により亡くなりましたが、2008年にアメリカ競馬殿堂入りを果たしたことは、その偉業を称えるにふさわしい評価と言えます。

主な勝鞍

1986年: ブリーダーズカップ・ターフ (G1)、ユナイティッドネイションズハンデキャップ (G1)、ターフクラシック (G1)、シネマハンデキャップ (G2)
1987年: ユナイティッドネイションズハンデキャップ (G1)、アーリントンミリオン (G1)、アーリータイムズ・ターフクラシック

表彰

1986年: エクリプス賞最優秀芝牡馬
2008年: アメリカ競馬名誉の殿堂博物館 殿堂馬選定

マニラは、その類まれな才能と輝かしい戦績によって、アメリカ競馬史に永遠にその名を刻んだ名馬として、今もなお語り継がれています。

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