マニラLRT2号線

マニラLRT2号線：都市を繋ぐ高架鉄道

ライトレール・トランジット2号線（LRT-2）は、フィリピンのマニラ首都圏で運行されている都市鉄道システム、マニラ・ライトレール・トランジット・システム（マニラLRT）の路線の一つです。この路線は、ライトレール・トランジット・オーソリティ（LRTA）によって運営されています。

概要

LRT2号線は、1970年代に計画が始まり、2003年にマニラ都市鉄道の3番目の路線として開業しました。マニラLRTシステムにおいては2番目の路線となります。かつては「パープルライン」と呼ばれていましたが、2012年のラインカラー変更により「ブルーライン」という名称になりました。路線はライトレールと称していますが、実際には地下鉄の仕様が採用されており、全長17.59km、13の駅を有し、そのほとんどが高架構造となっています。

主なルートはレクト通り、レガルダ通り、マグサイサイ通り、オーロラ通り、マリキナ・インファンタ・ハイウェイに沿っており、東西方向に伸びています。1日の乗降客数は約20万人で、マニラLRTとマニラ・メトロレール・トランジット・システム（MRT）の3路線の中では最も混雑が少ない路線となっています。輸送能力は1日あたり58万人とまだ余裕があり、今後の利用者増加に向けた取り組みが計画・実行されています。

他の路線との乗り換えも容易で、アラネタ・センター-クバオ駅ではMRT3号線、プレサ駅ではフィリピン国鉄線、レクト駅ではLRT1号線に乗り換えることができます。

運行時間は、平日が午前5時から午後10時まで、土日祝日は午前5時から午後9時30分までです。ほぼ毎日運行していますが、4月の聖週間には整備のため運休となるため、事前に駅や新聞での告知が行われます。

路線データ

運営主体: ライトレール・トランジット・オーソリティ (LRTA)
建設主体: ライトレール・トランジット・オーソリティ (LRTA)
路線距離: 全長17.59km
軌間: 1,435mm
最高速度: 80km/h
駅数: 13駅（起終点駅を含む）
複線区間: 全線
電化区間: 全線電化
地下区間: カティプナン駅

歴史

LRT2号線の計画は1996年に正式に始まり、建設は住友商事、韓進グループ、伊藤忠商事などが受注しました。しかし、契約には不透明な点が多く、フィリピン政府による捜査の結果、建設は一時遅延しました。2000年に再入札が行われ、丸紅、Balfour Beatty、東芝、大宇重工業を中心とするアジア・ヨーロッパMRT団体 (AEMC) が落札し、計画が再開されました。

2003年 4月5日にサントラン駅 - アラネタ・センター-クバオ駅間が先行開業、2004年 4月5日にはアラネタ・センター-クバオ駅 - レガルダ駅間が開業しました。2004年 10月29日にレガルダ駅 - レクト駅が開業し、全線開通となりました。その後、2021年7月5日にはサントラン駅 - アンティポロ駅間が延伸開業しています。

車両

LRT2号線では、2000形車両が使用されています。詳細については、各車両の記事をご参照ください。

施設

全駅には近代的な設備が導入されています。プラットホーム階とコンコース階が分かれており、地下駅を除き、コンコース階はプラットホーム階の下に位置しています。バリアフリー設計がされており、階段、エスカレーター、エレベーターが整備されています。コンコースには、券売機、改札、トイレの他、キオスクが設置されています。また、一部の駅（クバオ駅など）では、コンコースが隣接するショッピングモールと直結しています。プラットホームは、サントラン駅が島式ホーム、他の駅が対向式ホームとなっています。

運賃体系

運賃は距離制で、LRT1号線およびMRT3号線と同様に、12ペソから15ペソです。この運賃は、2004年に当時のアロヨ大統領によって定められたもので、ジープニーよりも少し高めに設定されています。政府は、LRTAに対して一人あたり約45ペソの補助金を支払っています。身長102cm未満の子供は無料で乗車できます。

乗車券

2015年 7月20日より、非接触式ICカード「Beep」が導入されています。乗車券には、以下の2種類があります。

片道乗車券 (Single Journey Ticket): 購入当日のみ利用可能。
チャージ式 (Stored Value Ticket): 20ペソでカードを購入し、10ペソから10,000ペソまでチャージ可能です。LRT1号線、LRT2号線、MRT3号線で共通利用できるほか、マニラ首都圏の一部のバス路線や高速道路の料金所、ファミリーマートやサークルKなどのコンビニエンスストアでも利用できます。

延伸計画

現在、LRT2号線では以下の延伸計画が進行中です。

東側延伸計画: サントラン駅から東へ4.0kmの延伸が計画されています。カインタ市のエメラルド通り付近にエメラルド駅、アンティポロ市のマシナグジャンクション付近にマシナグ駅が設置される予定です。
西側延伸計画: レクト駅から西へ8.0kmの延伸が計画されています。

改札方式

2014年 1月31日に、フィリピン運輸省は非接触式ICカードの導入を発表し、LRT1号線とMRT3号線でも共通利用ができる予定です。

脚注

詳細な情報については、以下のリンクを参照してください。

Light Rail Transit Authority (LRTA) 公式サイト (英語)
MMG Station 公式サイト (日本語)