マハン (DD-364)

アメリカ海軍駆逐艦「マハン」(USS Mahan, DD-364) の戦歴

「マハン」は、マハン級駆逐艦のネームシップとして、1936年に就役したアメリカ海軍の駆逐艦です。その艦名は、海軍少将アルフレッド・セイヤー・マハンに由来します。

就役から太平洋戦争開戦まで

1934年6月12日に起工し、1936年9月18日にJ・B・ウォーラー中佐の指揮下で就役しました。就役後、カリブ海や南米への親善訪問航海を経て、東海岸での作戦活動に従事しました。1937年8月には太平洋に移動し、西海岸での訓練演習に参加した後、真珠湾を拠点とした活動を開始しました。1939年2月にはカリブ海での艦隊演習に参加するなど、太平洋戦争開戦までハワイ海域で活動を続けました。

太平洋戦争での活躍

1941年12月7日の真珠湾攻撃時には、哨戒任務中であり、第12任務部隊の一員として日本軍部隊の迎撃に向かいました。しかし、敵部隊を発見することはできず、真珠湾に帰還しました。その後、海兵隊の援軍輸送や民間人の避難任務に従事し、島間の哨戒や船団護衛任務を行いました。1942年10月には、駆逐艦「ラムソン」と共に日本軍哨戒部隊を攻撃し、特設砲艦「八海山丸」を撃沈しました。

南太平洋海戦での損傷

1942年10月27日には、南太平洋海戦に参加しましたが、日本軍機の攻撃を受け、4機を撃墜したものの、戦艦「サウスダコタ」と衝突し、艦首を大きく損傷しました。ヌメアでの応急修理後、真珠湾で新たな艦首が与えられました。

戦場での激戦

1943年1月には南太平洋に戻り、船団護衛任務や哨戒任務に従事しました。ニューギニアではミルン湾を拠点に戦闘を続け、ナッソー湾上陸作戦やフィンシュハーフェンへの砲撃作戦に参加しました。1943年8月には日本軍機3機を撃墜するなど、激しい戦闘を繰り広げました。その後、ニューブリテン島への砲撃や上陸作戦の支援を行い、ニューギニア周辺海域での哨戒活動を続けました。

戦争終盤の活動

1944年の春には、オーバーホールのためカリフォルニア州サンフランシスコに回航しました。修理完了後、真珠湾での訓練を経て、エニウェトク、ジャルート環礁、グアム、サイパン、ウルシー環礁を経由し、ニューギニアに戻りました。その後、ホーランディアとレイテ島間の船団護衛任務やレイテ島沖での対潜哨戒任務に従事しました。

壮絶な最期

1944年12月7日、レイテ島とポンソン島間の哨戒中に、日本軍機の攻撃を受けました。3機の戦闘機を撃墜したものの、残る3機が船体に激突、艦は炎上し、火災が弾薬庫に引火しました。乗員は救助されましたが、放棄された「マハン」は、駆逐艦「ウォーク」によって砲撃と魚雷で自沈処分となりました。

戦功

「マハン」は、第二次世界大戦での戦功により、5個の従軍星章を受章しました。

まとめ

「マハン」は、その就役から最期まで、太平洋戦争の主要な戦いに関与し、激戦の中で数々の武勲を立てました。その勇猛果敢な戦歴は、アメリカ海軍の歴史に深く刻まれています。

参考文献

防衛庁防衛研修所戦史部『中部太平洋方面海軍作戦＜2＞昭和十七年六月以降』戦史叢書第62巻、朝雲新聞社、1973年

関連項目

第二次世界大戦中のアメリカ海軍の喪失艦一覧

外部リンク

https://web.archive.org/web/20020209125937/http://www.history.navy.mil/photos/sh-usn/usnsh-m/dd364.htm
https://www.navsource.org/archives/05/364.htm

この記事はアメリカ合衆国政府の著作物であるDictionary of American Naval Fighting Shipsに由来する文章を含んでいます。

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