ママディ・ドゥンブヤ

ママディ・ドゥンブヤ：ギニアの変革を担う軍人

ママディ・ドゥンブヤ（Mamady Doumbouya）は、1980年3月4日生まれのギニアの軍人、政治家です。現在はギニアの暫定大統領として、国の舵取りを担っています。2021年9月5日に発生したクーデターを主導し、アルファ・コンデ政権を打倒。その後、軍事政権の首班として国家統一開発評議会の議長に就任しました。

生い立ちと軍歴

ドゥンブヤはギニアのカンカン州で生まれました。フランス外人部隊に所属し、下士官として経験を積んだ後、ギニア軍に転身。アルファ・コンデ大統領（当時）によって創設されたギニア特殊部隊の指揮官を務めました。海外での豊富な経験から、様々な国での訓練を率いた実績も持ちます。2019年には中佐、翌年には大佐へと昇進し、着実にキャリアを重ねていきました。

クーデターと政権掌握

2021年9月5日、ドゥンブヤ率いる特殊部隊はクーデターを実行し、アルファ・コンデ大統領を打倒しました。国営テレビを通じて政府の解散と憲法の停止を発表し、その理由として「国の危機的な政治状況、司法の道具化、民主主義の原則の欠如、行政の極端な政治化、貧困と腐敗」を挙げました。ガーナのジェリー・ローリングス元大統領の言葉を引用し、「民衆がエリートに押しつぶされたなら、軍隊は民衆に自由を与えるべきだ」と訴えました。

国家統一開発評議会は9月27日に「憲章」を発表し、新たな憲法の起草と自由選挙が実施されるまでの期間を移行政権と定めました。また、国家元首と軍部の長を兼ねた国家の指導者として、暫定大統領職を設置することを決定しました。

暫定大統領として

2021年10月1日、ドゥンブヤは暫定大統領に就任しました。10月6日には、文民のモハメド・ベアヴォギを暫定首相に指名。しかし、ベアヴォギの病気治療のため、2022年7月17日にベルナール・ゴモウに首相を代行させ、8月20日にはそのまま正式な首相に据えました。

ドゥンブヤ政権は、西アフリカ諸国経済共同体（ECOWAS）との間で、2年以内の民政移管で原則合意しました。しかし、2023年9月21日の国連総会での演説では、西洋型民主主義はアフリカ大陸ではうまくいかないと発言し、会場から拍手が起こりました。民政移管まで残り8カ月となった2024年2月19日には、ベルナール・ゴモウ内閣を解散させています。

2024年1月には、大佐から将軍に昇進しました。

私生活

フランス人の妻を持ち、3人の子供がいます。

ママディ・ドゥンブヤは、クーデターによって政権を掌握したものの、民政移管への道筋を示しつつ、アフリカの現状に合わせた民主主義のあり方を模索しています。彼の今後の動向は、ギニアだけでなく、アフリカ全体の政治情勢に大きな影響を与えるでしょう。

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