マリアアザミ

マリアアザミ（ミルクシスル）について

マリアアザミ（学名: Silybum marianum）は、キク科オオアザミ属に分類される二年草です。英名ではミルクシスル (Milk thistle) と呼ばれ、その名の由来は聖母マリアの伝説に由来します。ヨーロッパの地中海沿岸を原産とし、日本には嘉永年間に渡来し、現在では西日本を中心に帰化植物として分布しています。標準和名はオオアザミ（大薊）です。

特徴

マリアアザミは二年草で、生育すると高さ60 - 150cm程度にまで成長します。茎は無毛またはわずかに毛があり、根生葉が地表に広がり大きな株を形成します。根生葉は長さ40cm、幅13cmに達することもあり、縁には鋭いトゲがあります。葉脈に沿って白いまだら模様が入るのが特徴的です。

花期は夏で、茎の頂点に紅紫色から淡紅色の筒状花を咲かせます。総苞は幅5 - 7cmにもなり、総苞片の縁には多数のトゲがあります。花後には黒褐色の果実をつけ、その種子にはシリマリンと呼ばれる成分が豊富に含まれています。

シリマリンとその効果

種子に含まれるシリマリンは、シリビニンを含む4種のフラボノリグナン類の混合物です。シリマリンは、傷ついた肝細胞の修復を助ける効果があると考えられており、ヨーロッパでは2000年以上も前から肝臓疾患の治療に利用されてきました。近年では、肝機能改善サプリメントとしても広く利用されています。

ドイツのコミッションEは、シリマリンの粗抽出物を消化不良に、標準化製品を慢性肝炎や肝硬変に対して使用することを承認しています。また、米国ハーブ協会では、適切に使用される限り安全なハーブとして分類されています。

ただし、アメリカ国立補完統合衛生センターが2012年に実施した臨床試験では、一般的な治療法が効果を示さない慢性C型肝炎患者に対して、シリマリンが偽薬を上回る効果を示すという結果は得られていません。

注意点

マリアアザミは、一般的には安全なハーブとされていますが、妊娠中や授乳中の方、キク科植物にアレルギーのある方は摂取を避けるようにしてください。また、医薬品との相互作用も考えられるため、服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談の上、摂取を検討するようにしてください。

まとめ

マリアアザミは、特徴的な外観と、肝機能改善効果が期待されるシリマリンを含むことで知られる植物です。サプリメントとしての利用も広がっていますが、その効果についてはまだ研究段階の部分も多く、今後の研究成果が期待されます。利用にあたっては、専門家のアドバイスを受けることを推奨します。

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