マリオアーティストシリーズ

マリオアーティストシリーズ

マリオアーティストシリーズ（MARIO ARTIST）は、NINTENDO64の周辺機器64DD向けに開発されたゲームソフトの一連で、任天堂が発表・販売したクリエイティブツール群です。このシリーズは、静止画や動画、立体モデルの制作を主な目的としており、4つの異なるソフトから構成されています。これらのソフトは、クリエイティブな表現を楽しむことができるユニークな存在として、当時のゲーム市場に新風を吹き込みました。

概要

マリオアーティストシリーズは64DDの発表前から、ゲームメディアにその存在が知られていたため、一定の認知度を有していました。しかし、これらのソフトは会員制の「ランドネット」においてのみ配布され、一般販売はされなかったため、実際にプレイしたことがある人は少数派です。シリーズは『マリオペイント』の進化系ともいえる位置づけで、多くの機能が引き継がれています。

特に、操作の取り消しやモードの切り替えを行うアイコンは、ユーザビリティを考慮して設計されています。また、セーブ機能は1本のソフトで最大10個のボックスに70個までのデータを保存可能ですが、ストレージが満杯になるとそれ以上は保存できなくなります。具体的には、作品やボックスにはそれぞれ名前をつけることができ、使用可能な文字種にはひらがな、カタカナ、アルファベット、特殊記号、漢字が含まれていますが、漢字の変換機能はなく、選択肢から選ぶ形式です。

シリーズの中心となるのは、さまざまなデータの作成とその共有機能です。例えば、単なる2D作品から、複数のコマを用いたアニメーション、ポリゴンモデルの作成まで、幅広いツールが提供されています。しかし、64DDに対応したソフトが限られていたため、他のタイトルとのデータのやり取りはほとんど行われなかったことが残念な点として挙げられます。

各ソフトの詳細

マリオアーティスト ペイントスタジオ

ペイントスタジオは1999年12月11日にリリースされ、NINTENDO64マウスとの同梱で配布されました。このソフトは『マリオペイント』の進化版で、作品の保存数や機能が大幅に拡張され、さまざまな作品を創り出せるようになっています。ただし、音楽制作機能は省略されています。

タレントスタジオ

2000年2月23日に発売されたタレントスタジオでは、3DCGモデルを作成し、これを使用したムービーを制作することができます。部品や動作をランダムに設定させる機能もあり、クリエイティブな楽しみ方が広がっています。

コミュニケーションキット

このソフトは、ユーザーが自作した作品をインターネット上で共有できる機能を持ち、2000年6月29日にリリースされました。この通信機能は、他のプレーヤーの作品をダウンロードしたり、自分の作品をアップロードできるというもので、利用者同士の交流を深めることが期待されました。

ポリゴンスタジオ

2000年8月29日に配布されたポリゴンスタジオは、3Dモデルを作成するためのソフトで、これを用いてさまざまなサブゲームで遊ぶことができます。このソフト特有のコンセプトは「作ったものを動かして遊ぶ」ことに重きを置いています。

まとめ

マリオアーティストシリーズは、そのユニークな制作ツールとして、今も多くのゲームファンに思い出されています。手軽にクリエイティブな表現を楽しめる環境を提供し、当時のゲーム開発に新たな風をもたらしました。ゲームとしてだけでなく、ユーザーによる作品の創造と共有の場を提供したこのシリーズは、時を経ても色あせない魅力を持っています。

もう一度検索