マルキン醤油

マルキン醤油株式会社の歴史と変遷

マルキン醤油株式会社は、香川県にルーツを持つ醤油メーカーです。現在はブランド管理を専門としており、かつて製造していた醤油や調味料は親会社である盛田株式会社が製造・販売を行っています。その歴史は、1907年に島の有力な醤油醸造家8名によって設立された丸金醤油株式会社に遡ります。

創業と発展

1907年1月22日、香川県小豆郡苗羽村（現在の小豆島町）にて、丸金醤油株式会社が誕生しました。設立時には164名の株主が集まり、初代社長には木下忠次郎が就任しました。その後、1934年には内海醤油会社を吸収合併し、事業を拡大。1949年には大阪証券取引所第2部（現・東京証券取引所スタンダード）に上場を果たし、その名を広く知られるようになりました。

1950年代には、醤油の公定価格撤廃に伴い、業界を代表する企業としてヤマサ醤油、キッコーマン、ヒゲタ醤油と共に自粛価格を設定。1962年には船山醤油、安田醤油、川野醤油、島一醤油の4社を吸収合併し、事業規模をさらに拡大しました。

忠勇との合併とブランドの復活

1988年には大阪市西区にマルキン大阪ビルを設置するなど、事業は順調に進んでいるように見えましたが、2000年4月1日、忠勇株式会社（現・ジャパン・フード&リカー・アライアンス）に吸収合併され、一旦その歴史に幕を閉じました。この合併は、実際には経営不振に陥っていた忠勇が丸金醤油の傘下に入ったという、いわゆる逆さ合併でした。

しかし、2017年4月3日、ジャパン・フード&リカー・アライアンスの事業子会社である盛田が、マルキンブランドの価値向上を目的として、マルキン醤油株式会社を復活設立しました。これにより、マルキンブランドは新たな展開を迎えることとなりました。

歴代役員

マルキン醤油の歴史を支えた歴代の役員は以下の通りです。

明治44年
社長：木下忠次郎
専務取締役：黒島嘉市
取締役：木下仙次郎、黒島傳次郎、小汐彌太郎
監査役：長西英三郎、高橋筆四郎、大森貞資
第30回
会長：木下忠次郎
専務取締役：黒島嘉市
取締役：黒島傳次郎、小汐彌太郎、瀧川辰太郎
監査役：大森貞資、高橋筆四郎、塩田亀吉
第32回
社長：木下忠次郎
専務取締役：瀧川辰太郎
取締役：黒島傳次郎、小汐彌太郎、中井房太郎
監査役：大森貞資、高橋筆四郎、塩田亀吉
第38回
社長：木下忠次郎
専務取締役：瀧川辰太郎
常務取締役：清水十二郎、黒島仁太郎、中井房太郎
取締役：黒島傳次郎、水野邦次郎、長西長次郎
監査役：大森貞資、高橋筆四郎、塩田亀吉
第43回
社長：木下忠次郎
専務取締役：瀧川辰太郎
常務取締役：清水十二郎、長西長次郎
取締役：木下仙次郎、左海鹿蔵、佐伯松吉
監査役：小汐亀太郎、高橋筆四郎、塩田亀吉

社名の由来

社名「マルキン」は、地元香川県西部に鎮座する金刀比羅宮の社紋（丸に金）に由来しています。この社紋にあやかり、地域の発展とともに歩むという願いが込められています。

マルキン醤油の現在

現在のマルキン醤油株式会社は、ブランド管理を専門とし、製品の製造は親会社である盛田株式会社が行っています。マルキンブランドは、長年の歴史と伝統を受け継ぎながら、新たな製品開発にも積極的に取り組んでいます。

まとめ

マルキン醤油株式会社は、創業から吸収合併、そしてブランド復活という歴史を歩んできました。その変遷は、日本の醤油業界の歴史を象徴するものであり、多くの人々に愛され続けています。現在も、そのブランドは新たな展開を見せており、今後の活躍が期待されます。



参考資料
商業興信所編『日本全国諸会社役員録 明治44年』商業興信所、1893 - 1911年。
商業興信所編『日本全国諸会社役員録 第30回』商業興信所、1922年。
商業興信所編『日本全国諸会社役員録 第32回』商業興信所、1924年。
商業興信所編『日本全国諸会社役員録 第38回』商業興信所、1930年。
商業興信所編『日本全国諸会社役員録 第43回』商業興信所、1935年。

関連リンク
* 盛田株式会社サイト

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