マルコス・バグダティス

マルコス・バグダティスのプロフィール

マルコス・バグダティス（Marcos Baghdatis、1985年6月17日生まれ）は、キプロスのリマソールで生まれ育った男子プロテニス選手です。彼はキプロス出身の最初の本格的なプロテニス選手として、世界の舞台で活躍しました。シングルスでは4回、ダブルスでは1回の勝利を挙げ、シングルスでの最高ランキングは8位、ダブルスでは93位という成績を残しました。彼は178cmの身長と82kgの体重を持ち、右利きの選手であり、バックハンドは両手打ちです。

選手経歴

バグダティスは、小さな島国キプロスに生まれました。彼の家族は衣料品店を経営しており、彼には2人の兄と養子の妹がいます。5歳でテニスを始めたバグダティスは、14歳の時にフランス・パリへ留学し、より本格的なテニスの世界に足を踏み入れました。ジュニア時代には、2001年に大阪で開催された世界スーパージュニアテニス選手権で16歳で優勝し、大きな注目を集めました。また、2003年には全豪オープンジュニア男子シングルス部門での勝利を果たし、その年にプロに転向しました。

2004年、彼はアテネ五輪にキプロス代表として出場しましたが、2回戦でドイツのニコラス・キーファーに敗れました。同じ年の全米オープンで彼は初めてのグランドスラムに挑戦しました。しかし、そこでもロジャー・フェデラーに敗れてしまいました。2005年には全豪オープンでキプロス人選手として初めて4回戦に進出しましたが、再びフェデラーに敗北しました。その後、全仏オープンやウィンブルドンにも初出場しましたが、初戦敗退に終わりました。

2006年の全豪オープンでは、シード選手としてはなくても強力なプレーで注目を集め、準決勝に進出するなどの快進撃を見せました。特に準々決勝では第2シードのアンディ・ロディックを破り、準決勝ではダビド・ナルバンディアンに逆転勝利を収め、決勝に進出しました。この歴史的な瞬間は、キプロス出身のテニス選手として初めての快挙でした。しかし決勝ではロジャー・フェデラーに敗れました。

その後、バグダティスはウィンブルドンでもベスト4に進出し、全米オープンではアンドレ・アガシとの対戦に挑みましたが、惜しくも敗れました。ただし、直後に行われたチャイナ・オープンではマリオ・アンチッチを下して、ATPツアー初の優勝を果たしました。

バグダティスのキャリアはその後、苦難の時期にも直面しました。特に2008年は右手首の故障に悩まされ、参加できる大会はわずか12大会でした。その結果、世界ランキングは急降下しました。2009年以降も様々な怪我に悩まされつつも、時折強力なプレーを見せ、特に2010年にはシドニー国際で優勝しました。

その後、彼は2012年のロンドンオリンピックでキプロス選手団の旗手を務め、シングルスでも善戦しましたが、またもアンディ・マリーに敗れました。2013年から2018年までは怪我による不調が続きましたが、最後の年である2019年にはウィンブルドン選手権で嬉しい勝利を収めました。

バグダティスは2019年6月に現役引退を表明し、同年のウィンブルドンを最後にテニスキャリアにピリオドを打ちました。彼のプレースタイルと競技への情熱は、多くのファンの心に残ることでしょう。

私生活

プライベートでは、2012年にクロアチアのテニス選手カロリナ・スプレムと結婚し、二人の間には3人の子供がいます。バグダティスは家庭を大切にしながらも、一世を風靡した選手としての地位は不変です。

マルコス・バグダティスは、多くの功績を残し、キプロスのテニス界を代表する選手として、今もなおその名は多くの人に語り継がれています。

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