マル島

マル島：スコットランドの隠れた宝石

マル島は、スコットランド西海岸のインナー・ヘブリディーズ諸島に位置する、息を呑むほど美しい島です。アーガイル・アンド・ビュートに属し、同諸島で2番目の大きさを誇ります。穏やかな気候と変化に富んだ地形は、多くの観光客を魅了しています。

アクセスと交通

スコットランド本土からはフェリーでアクセス可能です。オーバンからクレイグヌアへの航路が一般的ですが、キルコアンからトバモリー、ロッホアラインからフィシュニッシュへの航路も存在します。フィシュニッシュへの航路は最も早く到着できますが、一車線道路であることを考慮する必要があります。夏期は、特に週末はフェリーの予約が推奨されます。

マル島内では、マル島鉄道がクレイグヌアからトロセイまで運行しています。また、島内各地をバスが運行しており、周辺の島々へのフェリーも利用可能です。かつてはトバモリーからオーバンやバラ島への直行便もありました。

地理と自然

マル島は約480キロメートルの海岸線を持ち、その風景はヒースの荒れ地と数々の山々によって特徴付けられています。最高峰はベン・モア（966メートル）です。

この島は、250種以上の鳥類の営巣地となっており、近年ではオジロワシもその生息地として確認されています。また、ミンククジラ、ネズミイルカなどの海洋生物も観察できます。ボートツアーに参加すれば、これらの野生動物を間近で観察することが可能です。

歴史と文化

マル島には紀元前6000年頃の青銅器時代から人が住んでいたとされ、メンヒルやブロッホなどの遺跡が残されています。14世紀には、アイルズ卿領の一部となり、その後マクリーン氏族、キャンベル氏族の支配下に置かれました。

1588年には、スペイン無敵艦隊の1隻「フロレニカ」がトバモリー湾で座礁・爆発したという歴史もあります。この船には莫大な金塊が積まれていたという伝説も残されています。18世紀から19世紀のハイランド・クリアランスでは、人口が大幅に減少しました。

観光と見所

マル島の観光は多様性に富んでいます。毎年10月に行われるロード・ラリーは、世界的に有名なイベントです。しかしながら、このイベントは地元住民にとっては道路の危険性を高めるなどの問題点も抱えています。

トバモリーには、小規模ながらスコッチウイスキーの蒸留所「トバモリー蒸留所」があり、観光客向けの見学施設も設けられています。デュアート城などの歴史的建造物も必見です。海岸線には難破船が残っており、スキューバダイビングのスポットとしても人気です。ラクラン・マッキアリーの墓は、オーストラリア移民の人々にとって重要な場所となっています。

映画とテレビ

マル島の美しい風景は、多くの映画やテレビ番組のロケ地として利用されてきました。『エントラップメント』、『ハイランダー／最終戦士』、『針の眼』など、数多くの作品に登場しています。BBCの子供向け番組『バラモリー』にもトバモリーが登場します。

その他

マル島は、周辺のアイオナ島やウルヴァ島など、多くの小さな島々に囲まれています。これらの島々もまた、独自の自然や歴史的魅力を持っています。

マル島は、豊かな自然、歴史、文化を兼ね備えた、忘れられない旅を約束する場所です。

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