マーカー (筆記具)

マーカーとは

マーカーは、文字や記号、線などを書くために使用される筆記具の一種です。一般的には、ペン先が太めのフェルトペン（マーキングペン）を指しますが、固形塗料を素材に擦り付けて描画するものもマーカーとして扱われます。ここでは、代表的なマーカーの種類とその特徴について解説します。

油性・水性マーカー

フェルトペンの一種である油性・水性マーカーは、フェルトや合成繊維などのペン先から、毛細管現象によってインクを吸い上げて描画します。インクの種類によって、油性マーカーと水性マーカーに分けられます。

油性マーカー

油性マーカーは、油性インクを使用しており、プラスチックや金属など幅広い素材に描画できます。速乾性に優れ、乾燥後の耐水性が高いのが特徴です。インクには染料と顔料があり、染料インクは紙への浸透性が高く裏移りしやすいですが、顔料インクは裏移りしにくく、耐水性・耐光性に優れます。ただし、従来の油性インクには有機溶剤が使われているため、揮発性が高く、蓋を外したままにするとすぐに乾いてしまうという欠点があります。また、換気の悪い場所での大量使用は推奨されません。近年では、安全性の高い油性アルコール系顔料インクを使用したマーカーが登場し、ホワイトボード用だけでなく、従来のマーカー用途にも利用されています。代表的な商品としては、「マジックインキ」が挙げられます。

水性マーカー

水性マーカーは、水性インクを使用しており、油性マーカーに比べて適用範囲や速乾性は劣りますが、裏移りしにくく、インクの安全性が高いのが特徴です。主に紙への描画に使われます。油性マーカーと同様に、インクには染料と顔料があり、顔料インクは乾燥後に耐水性・耐光性に優れています。代表的な商品としては、「サインペン」や「ポスカ」があります。

固形マーカー

固形マーカーは、固形化された塗料の芯をチョークやクレヨンのように素材に擦り付けて描画します。プラスチック、金属、ガラス、ゴム、発泡スチロール、石など、様々な素材への描画に適しており、建設現場や工場などで、資材へのマーキングやメモ書きとして使われます。また、タイヤにも描けるため、自動車関連の現場でも使用されます。一部の商品には、水を含ませた布などで拭き取れるものがあり、ホワイトボード用マーカーの代わりや、工事用耐水黒板への記入にも利用できます。固形塗料は主に油性ですが、水溶性のものも存在します。固形マーカーの利点としては、チョークのように粉が出ず、油性マーカーのように溶剤が揮発しないため臭いが少ない点が挙げられます。また、キャップを閉め忘れても使用できなくなる心配もありません。固形マーカーの芯は、紙で巻かれていたり、細長い容器に入っていて、ねじ式やノック式で芯を繰り出して使います。芯のみを交換できる商品もあります。主な商品としては、「ギターマーキングパス」、「ソリッドマーカー」、「キットパス」などがあります。

ゲルマーカー

ゲルマーカーは、固形マーカーの一種で、芯をゲル化したものです。従来のマーカーに比べて書き味が良く、発色が優れているのが特徴です。水性顔料を使用しているため、裏移りしにくく、耐光性にも優れています。芯のみを交換できる商品もあります。代表的な商品としては、「テキストサーファー ゲル」や「ゲルマーカー」があります。

関連項目

• - フェルトペン
• - ホワイトボード
• - 蛍光ペン

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