マーキュリー・トパーズ

マーキュリー・トパーズ

マーキュリー・トパーズ（TOPAZ）は、フォード・モーターが製造し、マーキュリーブランドで販売していた自動車です。1984年から1994年まで販売され、2世代にわたるモデルが存在しました。

初代(1984-1987年)

1983年2月に発表され、1984年モデルとして登場しました。これは、旧式化していたマーキュリー・ゼファーの後継車にあたります。フォード・テンポとは姉妹車の関係にあり、4ドアセダンと2ドアクーペの2つのボディタイプが用意されました。マーキュリーブランドらしく、テンポよりも装備が充実しており、内装の質感も高められていました。

デザイン面では、空力性能を強く意識したフォルムが特徴的でした。これは、後のフォード・トーラスやセーブルなど、フォード車全体のデザインに影響を与えることになります。プラットフォームは、エスコート/リンクスから派生したCE14プラットフォームが採用されましたが、エスコートよりも大型なボディに合わせてホイールベースを延長するなど、多くの部分が独自仕様となっていました。

エンジンは、2.3リッター直列4気筒OHVエンジンを縦置きに搭載。1984年には、マツダ製の2.0リッター直列4気筒ディーゼルエンジンも追加されました。駆動方式はFF（前輪駆動）で、サスペンションにはストラット式の4輪独立懸架を採用し、高い走行性能とスペース効率を実現しています。

1986年にはマイナーチェンジを実施。ヘッドライトやグリルのデザインが変更され、上級モデルであるセーブルに似た雰囲気に変更されました。また、SRSエアバッグがオプションで装備可能となり、このクラスの車としては画期的な装備でした。1987年には、パートタイム式4WDモデルも追加され、悪路走破性も向上しました。

2代目(1988-1994年)

1988年に大幅な改良を受け、2代目へとモデルチェンジしました。特に4ドアセダンはボディ形状が大きく変更され、6ライトウィンドウとやや立ち気味のリアウィンドウを持つ、高級感のあるデザインになりました。このモデルから、マーキュリーのファミリーフェイスとなるウォーターフォールグリルが採用されました。

また、スポーティグレードとして、高出力エンジンを搭載した2ドアXR5と4ドアLTSが追加されました。これらのモデルは、よりパワフルな走行性能を求めるユーザーに対応しました。

1992年には再度改良が行われ、セーブルと同様のライトバーと呼ばれるフロントグリルに変更されました。ただし、セーブルとは異なり、ヘッドライトと連動して点灯させる機能は搭載されませんでした。さらに、新たに3リッターV型6気筒OHVエンジンも選択できるようになり、幅広いニーズに対応しました。

しかし、モデル末期には旧式化が進み、後継車種であるミスティークにその役目を譲り、1994年をもって販売を終了しました。

車名の由来

「TOPAZ」は、宝石の黄玉（トパーズ）を意味します。

関連項目

フォード・モーター
フォード・テンポ
* マーキュリー・ミスティーク

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