マーク・ジョンソン (内野手)

マーク・パトリック・ジョンソン：栄光と苦悩が交錯した助っ人

マーク・パトリック・ジョンソン（Mark Patrick Johnson、1967年10月17日 - ）は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ウースター出身の元プロ野球選手。左投左打で、主に一塁手や外野手として活躍しました。アイビー・リーグの名門、ダートマス大学出身という異色の経歴を持ち、日本プロ野球 (NPB) では1999年にセントラル・リーグの阪神タイガースに所属しました。

アメリカ球界での下積み時代

ダートマス大学時代はフットボールのクォーターバックとしても活躍。1989年のMLBドラフトでピッツバーグ・パイレーツから指名を受けましたが、入団には至りませんでした。翌1990年のMLBドラフトで再びパイレーツから指名されプロ入り。AA級カロライナ・マドキャッツでは、1994年にサザンリーグの本塁打王に輝いています。

1995年4月26日にはモントリオール・エクスポズ戦でMLBデビュー。1996年には主に一塁手として出場し、13本塁打を記録しました。1998年はシンシナティ・レッズ傘下のAAA級で過ごすことが多く、メジャーでの出場はわずか10試合。MLB通算成績は294試合出場、打率.236、30本塁打、104打点。ロサンゼルス・エンゼルス時代には長谷川滋利とチームメイトでした。

阪神タイガースでの鮮烈なデビューと失速

1998年12月28日、阪神タイガースと1年契約を結び来日。「一塁手だが外野も守れる」という触れ込みで、背番号42を与えられました。元チームメイトの長谷川滋利は、ジョンソンについて「日本野球への適応力がある」と評価する一方、「好不調の波が激しく、巨漢なのにパワーもいまいち」という評価もしていました。

1999年、マイケル・ブロワーズとともに来日。シーズン序盤は15打席連続無安打と苦しみましたが、野村克也監督からのアドバイスをきっかけに調子を上げ、前半戦だけで19本塁打を記録。5月には7本塁打を放ち、チームを一時首位に押し上げる原動力となりました。その活躍ぶりから、阪神ファンからは「バースの再来」「ジョン様」と称えられました。

5月5日の対巨人戦では、4試合連続となる決勝本塁打を放ちました。7月8日の対ヤクルト戦では、代打で逆転サヨナラ3点本塁打を放ち、ヒーローインタビューで「今までの野球人生で最高の瞬間です」と日本語で語りました。

しかし、後半戦に入ると、相手チームからの徹底的な研究により別人のように低迷。わずか1本塁打に終わり、最終的な打撃成績は打率.253、20本塁打、66打点でした。守備は主に一塁手として起用されました。

野村監督はジョンソンの残留を希望していましたが、後半戦の不振や、同じポジションに大豊泰昭がいたことなどから、解雇が決定。シーズン終了後に退団が発表されました。

MLB復帰と引退後

2000年、ジョンソンはニューヨーク・メッツでMLBに復帰。2001年には、阪神時代に交友を深めた新庄剛志とチームメイトとなり、NPB・MLBの両方でクリーンナップを組むという珍しい経験もしました。2002年を最後に現役を引退。

引退後は金融業界に転身し、ウォール街で活躍しているそうです。

記録と記憶に残る助っ人

阪神時代のジョンソンは、その豪快な打撃でファンを魅了しました。特に前半戦の活躍は目覚ましく、記憶に残る助っ人外国人として語り継がれています。

NPB 表彰
優秀JCB・MEP賞：1回 （1999年）

NPB 記録
初出場・初先発出場：1999年4月2日、対読売ジャイアンツ1回戦
初安打：1999年4月3日、対読売ジャイアンツ2回戦
初本塁打・初打点：1999年4月3日、対読売ジャイアンツ2回戦
初盗塁：1999年5月18日、対広島東洋カープ7回戦

背番号
36（1995年 - 1997年）
32（1998年）
42（1999年）
5（2000年、2002年）
20（2001年）

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